10 主要地方道紫波川井線の一部ルートを変更し整備促進して公共性を高めることを求める請願
平成15年9月25日
県土整備委員会
議決日:平成16年3月22日
送付
別記
当該県道のルート変更・整備については、早池峰国定公園の保護・保全対策のあり方等について幅広く検討を重ねたうえで、総合的に判断すべきものと思料するものであるとの意見を付して採択
主要地方道紫波川井線(以下「県道」という。)の一部分には、以下の理由で述べるような問題がある。
したがって、大槌紫波線道路整備連絡会議で構想されたように、県道の一部分についてルートを変更し整備促進して公共性を高めるように検討していただきたい。
(理由)
1 災害の問題
北上山地の地質を南北に分ける断層として知られる早池峰構造帯を薬師川と岳川が開析し、ここを県道が通っている。
この県道周辺からは、度々土石流が発生して薬師川から閉伊川・宮古湾へと流下し、濁流が各地に様々な災害をもたらしている。
すなわち、近年には、平成12年8月に土石流が発生して引き続く災害が憂慮されるなど、この構造帯をルートとする県道には流域住民の生命や財産の安全にかかわる問題がある。
2 環境保全の問題
国の特別天然記念物「早池峰山及び薬師岳の高山帯・森林植物群落」の指定地域内を県道が通っている。
この保護地域内の県道周辺では亜高山帯樹木の立ち枯れが進み、近くの高山植物帯では盗掘や踏み荒らしが恒常的に行われて、既に数種の絶滅が危惧されるに至っている。
県道を要因とする保護地域内の損傷と根本的対策の必要については、文部省、観光資源保護財団などから公にされているとおりである。
3 公共性の問題
県道の亜高山帯の地域などは積雪が多く半年間も通行不能のうえ、夏も規制や災害で度々通行に支障を来し、公共性が乏しい存在である。
また、先の2で述べた保護地域内は、開発行為が厳重に規制されているため、進められている県道改良の整備事業も望めない。
したがって、平成2年に大槌紫波線道路整備連絡会議で構想されたように、県道の一部分についてルートを変更し整備促進して公共性を高める必要がある。