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請願・陳情

詳細情報

議案名

54 岩手県立二戸病院附属九戸地域診療センターの入院19ベッド存続と地域医療の充実を求める請願

受理年月日

平成20年12月4日

付託委員会

環境福祉委員会

本会議議決結果

議決日:平成20年12月12日
議決結果:別記のとおり

措置

送付

備考

別記(受理番号第48号、第50号から第54号まで共通)
 今般、県医療局の県立病院等の新しい経営計画案の中で示された診療センター(住田、紫波、大迫、花泉、九戸)の病床無床化及び沼宮内病院の無床診療所化に対し、引き続き現在の診療体制の存続と地域医療の充実・強化を図ることを求める内容となっている請願の取り扱いについては、その願意を是とし、この際、新しい経営計画案については、平成21年4月実施を一時凍結し、広範な協議を継続する必要があるとの判断に至った。
 理由の第一は、当該地域、市町村との十分な協議・説明がないままの提示であり、公表後、四ヶ月余りで即実施する計画内容であるなど拙速の感は否めず、政策決定過程に問題があること。第二に、これまでの有床診療所化の対応の検証や、19病床の堅持、救急体制の確保などを求めた平成18年の議会決議に対してどのような対応がなされてきたのか、議会に対する説明責任が果たされていないこと。第三に、総務省が示した公立病院改革ガイドラインを優先し、全国に類を見ない本県における県立病院ネットワークの歴史と特質を考慮していないこと。第四に、無床化後における他の医療機関との連携による入院需要への対応、基幹病院への交通アクセスの確保が計画上担保されていないこと。第五に、本案実施後の市町村、介護福祉施設、他の医療機関との連携が示されておらず、今後の地域医療の具体的展望を欠いていることなどの点が、委員会請願審査で指摘されたところである。
 一方で、深刻な医師不足や診療科ごとの偏在、県立病院の経営不振、人口減少社会の到来など、県立病院を取り巻く環境は大きく変化しており、現在の県立病院の規模・機能を維持することが困難な状況に直面していることも事実であり、本案は今後の本県の地域医療のあり方を検討する上で極めて重要である。今後の県の政策医療の姿、財政負担のあり方、市町村など関係機関との連携、県民の意識改革など、総合的な視点でさらに踏み込んだ協議を行い、本県の地域医療の将来像を明確に示していくことが必要である。
 したがって、県においては請願採択の意を踏まえ、地域との十分な協議を行い、住民との合意形成を図りつつ、その不安の払拭に努め、県民に良質な医療を持続的に提供していくために広範な協議を継続すること。

【左の意見を付して採択】

内容

 平成19年4月、45床の入院ベッドを持った県立伊保内病院は、県医療局が策定した県立病院改革基本計画により、住民の猛反対を押し切る形で、19床の地域診療センターにされた。その時、医療局長が住民に約束したことは、常勤医師3名の確保と診療機能を充実し、医療サービスを低下させないということであった。
 しかし、県立二戸病院や岩手医大などからの医師の応援で何とか診療センターの機能を維持してきたものの、医療サービス、診療機能の低下を来たさないとした約束とは反する実態となってきている。
 九戸地域診療センターは、村内でただ一つ入院ベッドを持った医療機関である。この地域に入院できる医療機関がなくなれば、多くの住民は安心して生活できない。しかも、無床診療所化は県立医療機関の撤退につながることも危惧されるところである。
 そもそも、九戸診療センター、すなわち前伊保内病院の前身は、昭和14年診療開始の岩手県医薬購買販売利用組合連合会直轄伊保内診療所であった。建設に当たって、資材高騰の折しも、地元建設業者の厚情、地域の篤志家の声援、関係自治体の絶大な後援があって、初めて完成できた、まさに、無医村から脱却したいという地元民全体の熱意の賜物と言うべきものであった。以来70年間にわたり、地域唯一の入院設備を持った医療機関として、地域の医療、保健、福祉の中心的存在として、なくてはならない医療機関として貢献してきた。
 今回の計画案が実施されるようなことになれば、地域の介護施設等や地域の保健衛生、健康管理行政などにも大変支障を来たすこととなる。
 「県下にあまねく医療の均てんを」とした県立病院創業の精神に則り、どうか私たち住民から身近で頼りとする医療を受ける機会を奪わないでいただきたい。
 ここに、次の3項目を実現されるよう請願する。

1 九戸地域診療センターの入院19床の存続を図ること。
2 住民が安心を実感できるよう地域医療の充実・強化を図ること。
3 診療センターと福祉施設の連携強化を図ること。

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