16 消費者保護基本法の抜本改正を求める請願
平成15年11月28日
環境福祉委員会
議決日:平成15年12月10日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
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商品やサービス、金融等の消費者被害の急増など、消費者を取り巻く大きな変化を受けて、国民生活審議会消費者政策部会では、今年5月、「21世紀型の消費者政策のあり方について」の報告書をまとめた。その中では、21世紀型の消費者行政の目指す視点として、一方的に保護されるだけの従来の消費者像だけではなく、消費者を自立した主体と位置づけ、消費者の権利を理念として確立している。その権利を実現するために消費者政策を見直す必要があるとして、内閣府国民生活局で準備が進み、1968年にできた消費者保護基本法も抜本的に見直す必要があるとして、通常国会に改正案を提出する見通しとなっている。
私たちは、消費者の自己責任が強調されすぎて、機械的に保護の側面が全面否定されることは望まないが、消費者を権利主体として位置づけた上で、消費者政策を体系的に再構築することは歓迎している。
しかし、その基本となる消費者保護基本法の改正に消費者の権利を全面的に打ち出すには、国民世論の盛り上がりが必要な状況である。
世界では、EUを初め、アメリカ、韓国、中国など、消費者の権利の明記は当たり前のことになっている。
消費者保護基本法は、安全で安心できる暮らしが保障される仕組みのもとになるものであり、私たちは消費者の権利を明記した消費者保護基本法の充実整備が必要であると考える。
ついては、次のことに留意して改正することについて、国に対して地方自治法第99条の規定による意見書を提出されるよう請願する。
1 消費者保護基本法の改正に当たっては、法律の名称・目的・基本理念などに消費者の権利を前面に打ち出すとともに、国際標準になっている国際消費者機構の掲げる次の8つの権利(特に(2)〜(7))を参考に、項目ごとに権利を具体的に盛り込むこと。
(1)生活の基本的ニーズが保障される権利
(2)安全である権利
(3)知らされる権利
(4)選ぶ権利
(5)意見を反映される権利
(6)補償を受ける権利
(7)消費者教育を受ける権利
(8)健全な環境の中で働き生活する権利
2 消費者・事業者間では、情報力・交渉力に格差があり、一人の消費者では悪質な事業者に対抗するには弱く、消費者被害を効果的に防止・救済するには消費者団体が訴訟権を持つことが有効とされることから、導入のための根拠となる規定を盛り込むこと。