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請願・陳情

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議案名

84 改正貸金業法の早期完全施行等を求める請願(商工労働観光部所管分)

受理年月日

平成22年3月16日

付託委員会

商工文教委員会

本会議議決結果

議決日:平成22年3月24日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択

措置

送付

内容

 岩手県議会が国会及び政府に対し、改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書を提出していただくよう請願する。

(理由)
1 我が国では、消費者金融の利用者は1,000万人を超え、クレジットカードの発行枚数はおよそ3億枚、消費者信用残高は70兆円を超え、家計の最終支出に占める消費者信用の割合は4分の1に上る。
 このような中、多重債務問題が深刻化している。消費者金融から3社以上の借り入れがある利用者は300万人、200万人以上が3カ月以上にわたって返済を滞らせ、個人の自己破産申立件数は、2003年のピーク時には約24万件、最近でも14万件に及ぶ。多重債務を苦にした夜逃げ、自殺が後を絶たない。多重債務問題は命の問題にもつながる。
 これら深刻な多重債務問題の大きな要因となってきたのがクレジット、サラ金、商工ローンなど貸金業者の高金利、過剰与信、過酷な取立て及び大量宣伝などである。
2 2006年12月、深刻化する多重債務問題の解決のため、上限金利の引き下げ、過剰貸付の禁止(総量規制)などを含む改正貸金業法が成立した。
 同法が完全施行される時期は2009年12月から2010年6月までとされているが、改正法には完全施行前の見直し条項が規定されている。
3 政府も多重債務対策本部を設置し、同本部は@多重債務相談窓口の拡充、Aセーフティネット貸付の充実、Bヤミ金融の撲滅、C金融経済教育を柱とする多重債務問題改善プログラムを策定した。そして、現在では多くの自治体も多重債務問題に取り組み、官民が連携して多重債務対策を実施した結果、多重債務者が大幅に減少し、多重債務対策は確実に成果を上げつつある。
 そして、改正貸金業法が完全に施行されれば、貸金業者の高金利、過剰与信等が是正され、政府、自治体の多重債務対策も相まって、多重債務問題はさらに改善されることになる。
4 他方、一部には、消費者金融の成約率が低下しており、借りたい人が借りられなくなっている。特に昨今の経済危機や一部商工ローン業者の倒産などにより、資金調達が制限された中小企業者の倒産が増加していることなどを殊さら強調して、改正貸金業法の完全施行の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める論調がある。
5 しかしながら、1990年代における山一證券、北海道拓殖銀行の破綻などに象徴されるいわゆるバブル崩壊後の経済危機の際は、貸金業者に対する不十分な規制の下に商工ローンや消費者金融が大幅に貸付を伸ばし、その結果、1998年には自殺者が3万人を超え、自己破産者も10万人を突破するなど多重債務問題が深刻化した。
 改正貸金業法の完全施行の先延ばし、金利規制の貸金業者に対する規制の緩和は、再び自殺者や自己破産者、多重債務者の急増を招きかねず、許されるべきではない。今、多重債務者のために必要とされる施策は、相談体制の拡充、セーフティネット貸付の充実及びヤミ金融の撲滅などである。
6 そこで、今般設置された消費者庁と地方の共管となる地方消費者行政の充実及び多重債務問題が喫緊の課題であることも踏まえ、国に対し、多重債務問題解決のため、以下の施策を求めるための意見書を、国会及び政府に対して提出していただくよう請願する。

 (1) 改正貸金業法を早期に完全施行すること。
 (2) 自治体での多重債務相談体制の整備のため、相談員の人件費を含む予算を十分確保するなど相談窓口の拡充を支援すること。
 (3) 個人及び中小事業者向けのセーフティネット貸付をさらに充実させること。
 (4) ヤミ金融を徹底的に摘発すること。

※項目(1)及び(3)は商工文教委員会(商工労働観光部所管)に付託。項目(2)は環境福祉委員会(環境生活部所管)に付託。項目(4)は総務委員会に付託。

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