85 技能士並びに技能士の育成に努める県内専門工事業者への具体的施策の実現に関する請願
平成22年3月17日
総務委員会
議決日:平成22年3月24日
議決結果:採択
送付
(請願趣旨)
建設工事現場におけるものづくりの最前線で施工に当たる技能士の重要性が強く認識され、将来へ夢と誇りをもって職務にあたることができるための具体的施策及び技能士を育成し、次代の担い手をつくるために全力を傾注する専門工事業者が安定して人材育成を図ることができる環境形成のための具体的施策の実現を求める。
(請願理由)
建設工事に携わる技術者の資格は、各法に基づいて建築士、施工管理技士など多様に存在するが、県民生活の最も身近にあるものづくりの現場である建設工事の最前線において各工種の実際施工に携わる作業者の主たる資格は、職業能力開発促進法に基づく技能士である。
私共は、技術の研鑽がより高品質・高耐久な社会資本を生み出すとともに、高い専門技術を持つ人材の育成が雇用の安定や担い手の育成につながり、ひいては地域の将来に寄与するものと信じ、昨今の厳しい経済情勢の中にあって、弛むことなくその努力を続けている。
人が活力と希望を持って働くことができるその背景には、自身の存在価値というものが大きく影響すると考える。技能士が、社会的に自身の存在の重要性をより強く認識してもらえる環境下に置かれるということは、後に続く次代の人材がその職業に夢と希望を抱き、能動的に技能士の道を目指すという風土の形成につながる。この流れは、岩手に育ち、岩手に学んだ人材が岩手にとどまり、希望を持ち安心して県内で仕事に就くことができるようになるという雇用の確保・安定に通ずるものと確信している。
しかしながら、当事者から見たその重要性の認識は、現状において万般にわたり形として表れているとは感じられる状況ではなく、技能士がその存在意義、働く喜びを感じ得ない状況となっている。
若者が意欲的に進路を選択し、現場教育を通じて技能士資格を取得し、喜んで地方の現場においてその腕を振るうという、人材的地産地消を健全に継続していくためにも、また、経済的逆風の中にありながら、ひた向きに人材育成に対して労力と費用を注ぐ地元専門工事業者が今後も自信を持ち安心して人材育成に力を注ぐことができるようにするためにも、より実効性のある技能士資格の存在価値を高める施策を実施し、技能士が意気に感じ、責任感を持ってその資格に値する仕事を行うことに希望を見出せる環境の実現を求める。
(請願事項)
県営建設工事の発注において、自社内で技能士を育成・雇用し、直接その種の工事施工に当たることができる能力を有する専門工事業者の特性が生かされる仕組みづくりを求める。