3 東京電力福島第一原子力発電所事故の早急な収束と原子力発電からの撤退・再稼働中止及び自然エネルギーの本格的な導入を求める請願
平成23年10月17日
総務委員会
議決日:平成24年10月12日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(請願要旨)
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、発生から7カ月が経過している現在でも、一向に収束の見通しが立たず、避難を余儀なくされている住民の負担は過重なものとなっている。放射線の影響も広範囲にわたり、多くの国民の生活に著しい障害となっている。事故の早急な収束とともに、現在、定期点検中の原子力発電所については再稼働させないことを求める。被害に対する全面賠償を政府と東京電力の責任で直ちに行わせることを求める。また、我が国のエネルギー政策について、原子力発電から撤退し、自然エネルギーを本格的に導入するよう政府に対し政策転換を求めるものである。
(請願理由)
東京電力福島第一原子力発電所事故から7カ月が経過した。
避難区域だけでなく、区域外においても被爆線量が局地的に高いホットスポットが各地で指摘されている。岩手県内でも各地で高い放射線量が検出されており、特に放射能被害を受ける危険の多い妊産婦、乳幼児、子ども、そして若い世代の健康被害が将来に向けて懸念されている。
福島県において、全県民被爆線量調査がはじまったが、内部被曝の問題等、子どもたちの将来を心配する声が福島県のみならず、多くの国民に広がっている。政府と東京電力は、情報を全面的に開示するとともに、国内外の専門家、技術者の知恵と力を総結集して、原子力発電所事故を早急に収束させるべきである。
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、原子力発電所の技術が未完成で、極めて危険なものであることを国民の前に明らかにした。特に、原子力発電所は、使用済み放射性廃棄物を完全に閉じ込める技術がいまだ存在していない。また、一度、大量の放射性物質が放出されれば、被害は深刻かつ広範囲に広がり、将来にわたって悪影響を及ぼすことになる。
本県においても、農畜産業をはじめとして、多くの業種に対して甚大な被害をもたらしており、これに伴う風評被害も拡大しているところである。
さらに、放射線量の測定が、学校や公園、住宅地等、全国各地で行われ、国民は放射能汚染におびえながらの生活を余儀なくされている。
このような原子力発電所を世界有数の地震、津波発生地域を抱える日本に集中的に建設することは危険極まりないことである。日本に立地している原子力発電所で大地震や津波に見舞われる可能性がないと断言できるものは一つもない。歴代政府は、いわゆる安全神話にしがみつき、原子力発電所の増設を進め、安全対策を怠ってきた。その結果が、今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故に結びついた。
今回の事故を教訓として、これまでの原子力発電推進政策を撤回して、現在、定期点検中の原子力発電所の再稼働は中止し、原子力発電からの撤退と自然エネルギーへの大胆な転換を行うことが、ドイツ、スイス、イタリア等、世界の流れに合致する方向である。
以上のことから、政府が原子力発電所をゼロにする期限を区切ったプログラムを策定し、原子力発電からの撤退と自然エネルギーの本格的な導入を行うよう政策転換を図ることを求める。
以下の4項目について、国に意見書を提出されるよう請願する。
1 (1) 政府と東京電力は、情報を全面的に開示するとともに、国内外の専門家、技術者の知恵と力を総結集して、東京電力福島第一原子力発電所の事故を早急に収束させること。
(2) 政府は、定期点検中の原子力発電所を再稼働させないこと。
2 政府と東京電力は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う被害に対して賠償責任を明確にするとともに、被害者(団体及び個人)に対して速やかに賠償すること。
3 政府は原子力発電所をゼロにする期限を区切ったプログラムを策定し、原子力発電から撤退すること。
4 政府は、自然エネルギーの本格的な導入を推進すること。
※項目1(2)、3及び4は環境福祉委員会に付託