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請願・陳情

詳細情報

議案名

33 平成24年度最低賃金引き上げに関する請願

受理年月日

平成24年3月12日

付託委員会

商工文教委員会

本会議議決結果

議決日:平成24年7月9日
議決結果:別記のとおり

措置

送付

備考

別記
1 下記の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 平成24年度の最低賃金の改定に当たっては、雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意を踏まえ、早期に時間額1,000円以上とすべく尽力すること。
  イ 生活保護との整合性をはかる際には実情を反映した算定を行うこと。
  ウ 地域別最低賃金の地域ランクを減らす(Dランクをなくす)などして、地域間格差を縮小させること。
  エ 審議会や専門部会を公開とすること。非正規労働者が意見陳述する機会を設けること。
 (2) 最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体からのみ選任され続けていることから、偏向
  任命を止め、各労働団体からバランスよく選出すること。地方最低賃金審議会の専門部会の委員選出についても、公募に基づく公正任命を行うこと。
 (3) 最低賃金の日額、月額設定を復活させ、全国一律最低賃金制度を確立すること。
 (4) 雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意の実現に向けて、最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。
2 県として、最低賃金引き上げのための中小企業支援策を講じること。

【1(1)ア、イ、ウ、(4)及び2は、意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択】
【1(1)エ、(2)及び(3)は不採択】

内容

(請願趣旨)
 今や日本の労働者の35%が非正規、22.9%が年収200万円のワーキング・プアとなっている。平成22年度の民間労働者の平均賃金は412万円で、平成9年より55万円も減少している。家計は厳しく、モノは売れず、生産は縮小し、それが雇用破壊と企業の経営危機を招いている。収入が不安定なために結婚できず、子どもを産み育てられない人もふえている。低賃金の蔓延を放置し続ければ、社会の基盤が崩壊しかねない事態となっている。
 東日本大震災からの復興も大きな課題である。国と自治体をあげての取組みが行われているが、まともに暮らせる賃金、専門性に見合った賃金が保障された雇用機会がなければ、人々の生活再建も地域の復興も進まない。
 最低賃金法第9条では、労働者の生計費を考慮するに当たっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとするとされている。ところが今の最低賃金は、東京で837円、岩手、高知、沖縄では645円である。フルタイムで働いても月10〜14万円では、まともな暮らしはできず、大幅な引き上げが必要である。この問題意識は使用者団体にも共有され、平成22年には政労使間で、できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、2020年までに全国平均1,000円を目指すという雇用戦略対話合意が成立している。最低賃金1,000円は、中小企業には困難との意見もあるが、欧州の先進諸国の最低賃金は購買力平価で月額約20万円、時間額1,000円以上が普通である。高い水準の最低賃金で、地域経済と中小企業を支える経済を成り立たせている。
 日本でも、中小企業への経営支援を拡充しながら、最低賃金を引き上げることが必要である。暮らせる水準の最低賃金を軸として、生活保護基準、年金、業者・農民の自家労賃、下請単価、家内工賃、税金の課税最低限等を改善していけば、誰もが安心して暮らせる社会をつくることができる。
 ついては、平成24年度の最低賃金改定にあたり、下記の要請事項について請願する。

(請願事項)
1 下記の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
 ア 平成24年度の最低賃金の改定に当たっては、雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意を踏まえ、早期に時間額1,000円以上とすべく尽力すること。
 イ 生活保護との整合性をはかる際には実情を反映した算定を行うこと。
 ウ 地域別最低賃金の地域ランクを減らす(Dランクをなくす)などして、地域間格差を縮小させること。
 (4) 雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意の実現に向けて、最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。
2 県として、最低賃金引き上げのための中小企業支援策を講じること。

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