67 2013年度最低賃金引き上げに関する請願
平成25年3月19日
商工文教委員会
議決日:平成25年3月26日
議決結果:別記のとおり
送付
別記
1 下記の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意に基づき、計画的に引き上げること。
ウ 地域別最低賃金の地域ランク数を減らす(Dランクをなくす)などして、地域間格差を縮小させること。
(4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を増員し、監督行政の強化を図ること。
(5) 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。
2 県として、最低賃金引き上げのための中小企業支援策を具体化すること。
【意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択】
1 下記の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
イ 最低賃金は、年1,800時間の労働をもって生活保護基準を下回らない水準とすること(現在の仮定労働時間は、2,085.7時間)。生活保護基準には、勤労必要経費(勤労控除)を含めること。
エ 審議会や専門部会の公開性を高めること。非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
(2) 最低賃金審議会の労働者側委員は、特定系統の団体からのみ選任され続けていることから、偏向任命を止め、各労働団体からバランスよく選出すること。専門部会の委員選出についても公正な任命を行うこと。
(3) 以下の制度改正を行うこと。
ア 最低賃金の日額、月額設定を復活させ、全国一律最低賃金制度を確立すること。
イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃等に連動させ、ナショナルミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
【不採択】
(請願趣旨)
今や労働者の3人に1人は非正規、4人に1人は年収200万円以下のワーキングプアである。1997年に比べて平均賃金は年収で58万円(12%)も減少している。これでは消費が冷え込み、内需が低迷するのも当然である。ものは売れず、国内での生産は縮小され、それがさらなる賃下げ、雇用破壊と企業の経営危機を招いている。低賃金と不安定な雇用が妨げとなって結婚できず、子どもを産み育てられない人も増えている。ワーキングプアの蔓延を放置し続ければ、社会の基盤が崩壊しかねない事態である。
東日本大震災からの復興も遅々として進まない。まともに暮らせる賃金、専門性に見合った賃金が保障された雇用機会がなければ、人々の生活再建も地域の復興も進まない。
今の最低賃金は、東京都で850円、島根県と高知県で652円である。岩手県は653円であり、東北では一番低い金額である。フルタイムで働いても月10〜13万円では、まともな暮らしはできず、大幅な引き上げが必要である。
できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、2020年までに全国平均1,000円を目指すという政労使の雇用戦略対話合意が2010年に成立している。最低賃金1,000円は、中小企業には支払困難との意見もあるが、欧州先進諸国の最低賃金は購買力平価換算で月額約20万円、時間額1,000円以上が普通である。高い最低賃金で消費購買力を確保し、地域経済と中小企業を支える経済を成り立たせている。
デフレ不況から脱却し、経済再生を実現するには、中小企業への経営支援を拡充しつつ、最低賃金を引き上げることが必要である。暮らせる水準の最低賃金を軸として、生活保護基準、年金、業者・農民の自家労賃、下請単価、家内工賃、税金の課税最低限等を改善していけば、誰もが安心して暮らせる社会をつくることができる。
ついては、2013年度の最低賃金改定にあたり、下記の要請事項について請願する。
(請願事項)
1 下記の事項を実現するために政府及び関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、雇用戦略対話における最低賃金の引き上げに関する合意に基づき、計画的に引き上げること。
ウ 地域別最低賃金の地域ランク数を減らす(Dランクをなくす)などして、地域間格差を縮小させること。
(4) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を増員し、監督行政の強化を図ること。
(5) 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。
2 県として、最低賃金引き上げのための中小企業支援策を具体化すること。