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請願・陳情

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議案名

98 政府が米の需給と価格に責任を持つ米政策の確立を求める請願

受理年月日

平成25年12月3日

付託委員会

農林水産委員会

本会議議決結果

議決日:平成25年12月9日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択

措置

送付

内容

(請願趣旨)
 政府は、11月26日に農林水産業・地域の活力創造本部を開き、経営所得安定対策や生産調整など農政の根幹を転換する農政の全体像を正式に決めた。
 米の直接支払交付金(固定払いで10アール当たり15,000円)を2014年産から半減させ、2018年産から廃止、米価変動補填交付金は2014年産から廃止など、現行の農業政策の水準から大幅に切り下げられる。また、5年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らない状況にしていくとしており、農政を大きく転換する内容を含んでいる。
 これによって引き起こされるのは、今でさえ生産費(直近の平成23年産全算入経費16,001円(60kg当たり))を下回っている米価のさらなる暴落である。また、米の直接支払交付金の半減及び廃止は、農家経営に重大な打撃となることは避けられない。特に制度への依存度が高い大規模農家や集落営農組織などの担い手ほど影響が大きいことは明らかであり、集落営農を柱とする本県農業を初め、農村社会に取り返しのつかない事態を招きかねないものである。
 一連の政策論議は、10月24日に開かれた政府の産業競争力会議農業分科会で、同分科会主査の新浪剛史氏(株式会社ローソン代表取締役CEO)が米の生産調整廃止などの農政改革案を提言して以降、活発化していた。産業競争力会議での提言は、米の生産コストを4割引き下げることを前提に、経営所得安定対策や水田活用交付金などの補助金をゼロベースで見直すことを求めている。このたび提起された農政も、同じ流れにあるものと危惧されている。
 日本農業と国民生活に重大な影響をもたらすTPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉が山場を迎えている中、今回の農政の転換は、TPP協定で米の関税撤廃を受け入れることを前提にしたものではないかという懸念も広がっている。国際的に食料不足が深刻化しているもとで、食料の増産は緊急の課題である。また、温暖化による大規模災害の多発に対しては、農業が持つ多面的機能に光を当てた農業振興策の確立が求められている。政府が打ち出している新たな農政の方向は、生産の拡大と食料の安定供給に対する政府の責任を放棄するものであり、到底容認できるものではない。
 以上の趣旨に基づき、下記の事項を実現するため、地方自治法第99条に基づく意見書を政府及び関係機関に提出するよう請願する。

(請願事項)
1 食料自給率を向上させることを最優先に、政府が米を初め主要作物の需給と価格に責任を持つ政策を確立すること。
2 現行の経営所得安定政策の縮小・廃止の方針を中止し、さらに拡充すること。

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