115 被災地の本格復興を促進するための地方財政の充実と事業執行体制の安定的な確保を求める請願
平成26年7月1日
総務委員会
議決日:平成26年10月10日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(請願要旨)
東日本大震災津波による被災地の本格復興を促進するための地方財政の充実と安定的な事業執行体制の確保に向け、国に対して意見書を提出するよう請願する。
(請願理由)
本県における東日本大震災津波がもたらした甚大な被害は、3年余りが経過した今なお爪痕深く、被災者の生活再建は始まっているものの、依然として厳しい状況が続いている。
被災地の本格復興を促進させ、教育、医療、介護などの社会保障、環境対策の充実など、地方自治体が担う役割は年々拡大しており、地域の財政需要を的確に見積もり、これに見合う地方交付税及び一般財源総額を確保する必要がある。
また、政府の経済財政諮問会議などで法人実効税率の見直しや償却資産に係る固定資産税の減免などが議論されているが、公共サービスの質の確保を図るためにも、安定的かつ地域偏在性の小さい地方税財源を確立することが極めて重要である。
地方自治体の実態に見合った歳出・歳入を的確に見積もるためには、国と地方自治体の十分な協議を保障した上で、地方財政計画、地方税、地方交付税の在り方について決定する必要がある。
一方、現在も県内外の自治体から被災自治体に対する事業応援をいただいている実態にあり、被災地の本格復興を着実に進めるための県、市町村の人材の確保も重要な課題となっている。
そこで、被災地の本格復興を促進するための地方財政の充実と自治体における復興事業等を担う事業執行体制の安定的な確保に向けて、次の事項について、国に意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
1 地方財政計画、地方税の在り方、地方交付税総額の決定に当たっては、国の政策方針に基づき一方的に決するのではなく、国と地方の協議の場で十分な協議のもとに決定すること。
2 社会保障分野の人材確保と処遇改善、農林水産業の再興、環境対策などの財政需要を的確に把握し、増大する地域の財政需要に見合う地方財政計画、地方交付税及び一般財源総額の拡大を図ること。
3 復興交付金については、国の関与の縮小を図り、採択要件を緩和し、被災自治体が復興事業においてより柔軟に活用できるよう早急に改善すること。
また、被災地の復興状況を踏まえ、集中復興期間が終了する2016年度以降においても、復興交付金、震災復興特別交付税を継続して確保すること。
4 被災地の復興と被災者の生活再建を円滑に進めるため、被災者の意見を幅広く取り入れ、国と地方が一体となった弾力的、効率的な財政運営制度を確立すること。
5 法人実効税率の見直しについては、課税ベースの拡大などを通じ、地方税財源の確保を図った上で、地方財政に影響を与えることのないようにすること。
また、法人事業税については、安定的な税収確保や地域偏在性の縮小を目指す観点から、現行の外形標準課税の充実を図ること。
6 償却資産に係る固定資産税やゴルフ場利用税については、市町村の財政運営に不可欠な税であるため、現行制度を堅持すること。
7 地方交付税の別枠加算・歳出特別枠については、地方自治体の重要な財源となっていることから現行水準を確保すること。また、増大する地方自治体の財政需要に対応し、臨時的な財源から、社会保障や環境対策などの経常的な経費に対応する財源へと位置づけを改めること。
8 地方交付税の財源保障機能、財政調整機能の強化を図り、小規模自治体に配慮した段階補正の強化、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握について、引き続き対策を講じること。
9 人件費削減など行革指標に基づく地方交付税の算定は、交付税算定を通じた国の政策誘導であり、地方自治、地方分権の理念に反するものであることから、このような算定を改めること。
10 復興教育の推進など山積する教育諸課題の解決に向けて教職員の人材確保が重要であることから、義務教育費国庫負担金を削減しないこと。
※項目10は商工文教委員会に付託
また、項目1、2、5、7及び9は総務部所管、項目3及び4は復興局所管