40 食料・農業・農村基本計画見直しに関する請願
平成16年12月7日
農林水産委員会
議決日:平成16年12月15日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
食料・農業・農村基本計画見直しに当たって、食料・農業・農村基本法に基づき、食料自給率の引き上げ、食の安全・安定供給が実現するよう意見書を政府関係機関に提出するとともに、強力な働きかけをお願いする。
(請願理由)
現在、政府は2000年に定めた食料・農業・農村基本計画の見直しを検討している。来年の3月に策定される新たな基本計画は今後の日本の食料・農業政策を大きく左右するものである。先に出された中間論点整理(中間まとめ)では、@担い手政策のあり方、A品目横断的政策等の経営安定対策の確立、B農地制度のあり方、C農業資源・環境保全対策の確立が出されたが、最大の課題である食料自給率の向上に向けての施策については先送りされた。また、出されている課題が食料自給率の向上にどのように結びつくのか明確に示されていない。
これまでの、規模拡大・効率化一辺倒の農業政策を進めてきた結果が、BSEなどの食の不安を引き起こしている現状から、食の安全や環境問題などに配慮した政策への転換が必要である。
私たちは、基本計画の見直しに当たっては、食料・農業・農村基本法に基づき、食料自給率の引き上げ、食の安全・安定に結びつく施策を展開することが、日本農業の再生・発展につながると考える。
ついては、貴議会におかれては、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を政府関係機関に提出するとともに、請願内容の実現に向けて強力な働きかけをお願いする。
(請願内容)
1 食料自給率
食料自給率の維持・向上に必要な耕地を確保し、農地保全と環境政策を一体のものとして政策を推進すること。
2 担い手のあり方
(1) 担い手については、認定農業者や集落営農といった経営形態に限定せず、家族農業等を含めた多様な経営形態を政策の対象とし支援すること。
(2) 集落営農は、農業を営むことが継続できることを基本とし、地域の条件に見合った多様な農業の展開を可能とするものとして位置づけること。
3 新たな経営安定対策(品目横断的政策等)
(1) 新たな経営安定対策(品目横断的政策等)は、水田作、畑作、畜産等の総合的な所得補てん政策とすること。
(2) 輸入農産物の増加や国内市場の価格低迷下においても営農が成り立ち、耕作意欲を保持できる支払い水準を確保すること。
4 農地制度
(1) 土地・農地等土地利用規制の体系を整備し、農地を農地として利活用できる法・制度を早急に確立すること。
(2) 株式会社の農地取得・農業参入については、構造改革特区に限定し、地域農業への効果、影響等の検証・評価結果を十分踏まえて対応すること。
5 農業環境・資源保全政策の確立
(1) 担い手以外の農家、非農家、地域住民などを含めた農業資源保全の共同の取り組みに対する支援策を、経営所得安定対策とセットで導入すること。
(2) 農業の持つ多面的機能を維持・推進するために、環境直接支払い制度を創設し、有機農業など環境保全型農業の推進をこれまで以上に支援すること。
(3) 現行の中山間直接支払制度は、拡大・充実して継続実施すること。