46 東日本大震災及び台風第10号災害からの着実な復興と復興を見据えたふるさと振興の推進のための地方財政の充実・強化を求める請願
平成29年6月30日
総務委員会
議決日:平成29年7月7日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(要旨)
東日本大震災津波や台風第10号災害からの速やかな復興はもとより、地方公共団体における確実な行政運営の推進、その基盤となる地方公務員の人材確保等に向けて、地方財政の充実・強化を図るため、政府に対して意見書を提出するよう請願する。
(理由)
本県では、東日本大震災津波からの着実な復興、昨年8月に発生した台風第10号災害からの速やかな復旧が課題であり、安定した財源措置が不可欠となっている。さらに、子育て支援策の充実、医療・介護などの社会保障への対応、地域交通の維持など、諸課題が山積しているとともに、防災・減災対策など、新たな政策課題に直面している。
しかしながら、地方公務員をはじめとした公的サービスを担う人材が限られる中で、新たなニーズへの対応と細やかな公的サービスの提供が困難となっており、人材確保を進めるとともに、これに見合う地方財政の確立を目指す必要がある。
政府は、2017年6月9日に経済財政運営と改革の基本方針2017を閣議決定し、働き方改革、人材投資・教育、子供子育て支援の充実などを掲げた一方、経済・財政一体改革の推進のため、社会保障制度の見直し、地方公共団体の基金や地方単独事業の実態把握と見える化等を通じた地方行財政改革の推進、公共サービスの広域化・共同化や窓口業務の民間委託の全面展開などを進めるとしており、地方財政の歳出削減が懸念される。
本来、必要な公共サービスを提供するため、財源面を担保するのが地方財政計画の役割であり、地方財政需要を的確に算定し、地方財政計画に反映することが不可欠である。
加えて、政府の同一労働同一賃金の一環として、地方公共団体における臨時的任用職員及び非常勤職員の処遇改善を目的とした地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律が平成32年4月1日に施行されることとなった。この法律は、いわゆる官製ワーキングプアの解消に向けて大きな前進であるが、適正に運用するためには、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持することを前提とし、かつ、処遇改善に係る経費を適切に地方交付税に算定するなどの一層の地方財政対策が求められる。
こうした状況を踏まえ、平成30年度の政府予算と地方財政の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立、さらには従事する地方公共団体の人材確保などが必要である。
以上のことから、地方自治法第99条の規定により、次の事項について、政府に意見書を提出するよう請願する。
(請願項目)
1 東日本大震災及び台風第10号災害からの復旧・復興をはじめ、子供子育て支援、社会保障、災害対策、地域交通対策、人口減少対策、ふるさと振興策(まち・ひと・しごと創生事業)など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。
2 地方交付税の財源保障機能、財政調整機能の強化を図り、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模地方自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。併せて、地方交付税原資の確保のため、対象国税4税(所得税、法人税、酒税、消費税)の法定率引き上げを行うこと。
3 地方公共団体における臨時的任用職員及び非常勤職員の処遇改善に係る地方財政措置を適切に講じること。
併せて、公務運営に当たっては、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営の原則を維持する観点から、常勤の地方公務員の確保に係る地方財政措置の拡充を図ること。