84 沖縄県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意を持って協議を行うよう政府に求める請願
平成31年3月14日
総務委員会
議決日:平成31年3月25日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(請願趣旨)
沖縄県名護市・辺野古の米軍新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票が2月24日に沖縄県内全41市町村で投開票された。投票率は52.5%で、埋め立て反対が43万4,273票(投票総数の71.7%)となり、全有権者の4分の1(288,400票)を大きく超えた。
沖縄県民投票条例に基づき、玉城デニー沖縄県知事は、3月1日、投票結果を日米両政府に通知した。知事は首相官邸で安倍首相に、民主主義国家である我が国において直接示された民意は何より重く、尊重されなければならないと述べ、新基地建設の断念を求めた。また、安倍首相が県民投票の結果を真摯に受け止めると発言したことに触れ、それが本心であれば、沖縄県民の思いを真正面から受け止めて、工事を止めてほしいと訴えた。更に、日米両政府と沖縄県による新しい話し合いの場の設置を提案した。安倍首相は、新基地建設を先送りできないと述べて埋め立て継続の考えを述べ、県知事との話し合いの継続を表明したが、日米・県三者協議の枠組みには言及しなかった。
一方、辺野古の埋め立て工事そのものの実現性が大きく揺らいでいる。大浦湾側の埋め立て海域には最深90メートルの超軟弱地盤が存在し、地盤改良で7万7千本の砂杭を打つ必要がある。国内では深さ65メートルまでしか工事の実績がなく、深さ90メートルに達する大規模な地盤改良工事は世界にも例がない。更に、辺野古の海底には活断層がある可能性も指摘されており、専門家は国や県に本格的な調査の必要性を指摘している。また、辺野古周辺には、米国防総省が定める高さ制限を超える建物が358件もある。現在、政府は、新基地建設にかかる工期も工法も費用も示すことができていない。
政府は、普天間基地の危険性除去と沖縄の負担軽減を理由として辺野古新基地建設を進めているが、辺野古移設が唯一であると言い続ける限り普天間基地はいつまでも固定化されてしまう。
今回の沖縄県民投票は法的拘束力を持たないと定められている。しかし、埋め立て反対の明確な民意が示された以上、憲法が保障する地方自治と民主主義、国民主権、基本的人権が問われることになる。
以上のことから、地方自治法第99条に基づき、次の事項について国及び関係機関に意見書を提出するよう請願する。
(請願項目)
政府は、沖縄県民投票の結果を踏まえ、辺野古埋め立て工事を中止し、沖縄県と誠意を持って協議を行うこと。