31 介護保険制度の抜本改善と新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める請願
令和2年12月1日
環境福祉委員会
議決日:令和2年12月8日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(請願趣旨)
介護保険制度は施行後丸20年を経過した。この20年間、サービスの削減や負担増を図る制度の見直しが繰り返される中、保険あって介護なしの事態はますます広がっている。また、低く据え置かれた介護報酬の下で介護事業所の経営難が続いており、ヘルパーをはじめ介護現場の人手不足は深刻化を増している。介護従事者の給与が全産業労働者の平均より月額9万円も低い実態は依然として改善されていない。
今般の新型コロナウイルス感染症は経営難、人手不足で疲弊しきっていた介護事業所、介護従事者を直撃している。マスク、ガウンなどの物資不足、厳しい職員体制が続いており、職員は「いつ感染するか」「感染させてしまわないか」という強い不安と緊張を抱きながら日々介護にあたっている。いま必要なことは困難を早急に打開し、長期化に備えて介護基盤を強化していくことである。
次期介護報酬改定の審議が開始されているが、報酬が引き下げられることはあってはならない。基本報酬の底上げが必要である。介護の社会化にふさわしく、高齢化の進展に伴い今後一層高まっていく介護需要に応えていくためにも、また、感染症のような新たな事態に対処していくためにも介護保険制度の抜本的な改善は不可欠である。
そこで、国に対し、介護保険制度の抜本改善と新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
1 衛生用品、防護具の安定的な供給、介護従事者、利用者に対する必要なPCR検査の迅速な実施、介護事業所への経済的支援、介護従事者への支援など、新型コロナウイルス感染症に対する対策を強化すること。
2 2021年4月から実施される介護報酬の改定において、安定的な事業所経営、感染症への適切な対応が可能となるよう、介護報酬の大幅な引き上げ、見直しを実施すること。
3 保険財政における国庫負担割合を大幅に引き上げ、利用料、介護保険料の軽減など必要なときに必要な介護が受けられるよう介護保険制度の改善を図ること。