53 福祉灯油の全市町村での実施を求める請願
令和3年10月5日
環境福祉委員会
議決日:令和3年10月13日
議決結果:採択
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(請願趣旨)
岩手に住む私たちにとって暖房は不可欠であり、灯油はその主力エネルギーとして欠くことができない生活必需品である。岩手の冬は、毎年暖房のための費用がかさむが、昨年は新型コロナウイルス感染症の流行による外出自粛で在宅時間が増え、今まで以上に暖房費負担は増えた。いわて生活協同組合の調べでは、昨年の平均的な家庭の一冬の灯油の使用は、934リットル(18リットル缶で約52缶)で、72,000円の負担額であった。
こうした状況の中、今冬はさらに灯油の高騰が見込まれる。現在の原油価格は1バレル(159リットル)70ドルで、昨年同時期の40ドルから1.7倍に高騰し、灯油価格も1リットル75円(1缶1,350円)が、9月中旬価格は1リットル100円(1缶1,800円)と、1.3倍にもなっている。原油高騰の原因は、新型コロナウイルス感染症の収束予想による経済の活性化で需要が高まるとの世界的な期待感によるものであり、高値維持は当面続くと予想されている。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長引き、家計も厳しさを増している中で、灯油の大幅負担増は、ただでさえ苦しい家計を直撃し、地域経済にも影響を与える。
昨年までの10年間、岩手県は沿岸被災市町村への灯油代支援を行い、福祉灯油の実施につながった。
今、コロナ禍でひとり親世帯の貧困や女性の貧困も増えていると言われている。働きたくても働けず、食費さえ切り詰めている中で、1缶1,800円もの高額な灯油代の負担は大変である。福祉灯油は、沿岸被災地に限らず、全県的に寒冷地のセーフティーネットとして必要な施策だと考える。低所得家庭が少しでも安心して温かい冬が過ごせるよう、今一度福祉灯油の全県的実施を図る必要がある。
岩手県が灯油代への援助をいち早く打ち出すことで、全市町村の福祉灯油の実施を促してもらいたい。
ついては以下の施策の実施について請願する。
(請願事項)
寒冷地岩手のセーフティーネットとして、低所得者のための福祉灯油を全市町村に対象地区を広げること。