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請願・陳情

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議案名

54 加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的支援制度創設を求める請願

受理年月日

令和3年10月5日

付託委員会

環境福祉委員会

本会議議決結果

議決日:令和3年10月13日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択

措置

送付

内容

(請願趣旨)
 加齢性難聴は、コミュニケーションを困難にするなど日常生活を不便にし、生活の質を落とす大きな原因となるばかりか、最近ではうつ病や認知症の危険因子になることも指摘されている。コミュニケーションが減り、会話しないことで脳に入ってくる情報が少なくなることが脳の機能低下につながり、うつ病や認知症につながるのではないかと考えられている。この聞こえの悪さを克服し、音や言葉を聞き取れるようにし、日常生活を快適に過ごすことができるよう補完するのが補聴器である。
 日本の難聴者率は欧米に比較して大差はないと言われているが、補聴器の使用率は、欧米と比べると大きな開きがある。一般社団法人日本補聴器工業会の調査報告によると、イギリスの47.6%に対して、日本は14.4%と極端に低い数値となっている。この背景には、日本において補聴器が高額であることと公的支援制度の不十分さがある。補聴器の売れ筋は、片耳あたり15万円から30万円と高価で、しかも医療保険の適用がないので、基本的に全額自己負担となる。
 欧米では補聴器を医療のカテゴリーとしてとらえ、41デシベル以上の中等度難聴者から補聴器購入に対する公的補助制度が確立されているが、日本では障害のカテゴリーとしてとらえ限定的に対応されており、身体障害者手帳所持者(両耳70デシベル以上の高度・重度難聴者)の場合のみ補装具支給制度により負担が軽減されている。
 本県においては、補装具制度の対象とならない18歳未満の軽度・中等度難難聴者(30デシベル以上70デシベル未満)に対して、言語の獲得やコミュニケーション能力の向上を支援するため、単独事業として岩手県難聴児補聴器購入助成事業を実施している。しかし、18歳以上の軽度・中等度難聴者は補助対象外となるため、約9割の人は全額自費で購入しているのが実情である。この高額な価格と不十分な補助・支援制度が、特に低所得の年金暮らしの高齢者の補聴器の購入、使用を妨げている。
 耳が聞こえにくい、聞こえないということが高齢者の社会参加や再雇用などの大きな障害となっている。高齢になっても生活の質を落とさず、心身ともに健やかに過ごすことができれば、認知症の予防、健康寿命の延伸、ひいては医療費の抑制にもつながる。
 近年、国内においては加齢性難聴者の補聴器購入制度を整備する自治体が増加しており、加齢による難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度を創設するよう、地方自治法第99条に基づいて、内閣総理大臣をはじめ関係部署に意見書を送付する自治体も増加している。岩手県内においても、大船渡市と遠野市が加齢性難聴者の補聴器購入制度を整備し実施しており、宮古市、大槌町及び釜石市が意見書を提出している。
 ついては、加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的支援制度を創設するよう下記の項目について請願する。

(請願項目)
1 加齢性難聴者の補聴器購入に対する岩手県独自の支援制度を創設すること。
2 加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的支援制度を創設するよう地方自治法第99条に基づき、内閣総理大臣をはじめ関係部署に意見書を送付すること。

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