62 岩手県の動物愛護行政に関する請願
令和4年3月4日
環境福祉委員会
議決日:令和4年3月25日
議決結果:採択
送付
(請願趣旨)
犬猫を扱う繁殖業者やペットショップに対し、ケージの広さや従業員一人当たりの飼育数などの管理方法を制限する改正動物愛護管理法が2021年6月1日に施行された。これにより、収容するケージの広さは犬猫とも縦は体長の2倍以上、横は1.5倍以上、高さは犬が体高の2倍以上、猫が3倍以上とされ、従業員一人当たりの飼育数の上限は、繁殖業者は犬15匹、猫25匹、販売業者は犬20匹、猫30匹とそれぞれ定められた。既存の事業者については、経過措置が講じられており、2022年6月から適用される。省令では適正な飼育でない状態を、ふん尿が毛に付着している、爪が異常に伸びている、体毛が毛玉で覆われているなど具体的に定義されている。
しかしながら、犬や猫を身動きもままならないケージに入れたり、高齢でも繁殖させたりするといった一部業者による悪質な飼育は岩手県内でも問題となっている。
県では、動物取扱業者に対し、保健所が年1回以上の立入検査を実施している。2020年度には332件の立入検査を実施し、45件で必要な指導が行われたということであるが、希望郷いわてモニターアンケート調査では、動物取扱業者の利用者のうち約11%が、劣悪な環境で動物が飼われていたのを見たことがあるとも回答しているため、動物取扱業者に対し、法改正の趣旨に基づいた適切な立入検査を行い、指導や監視の強化が必要だと考える。
また近年は、核家族化、少子高齢化を背景に、人の生活におけるペットの重要性が高まり、動物は身近な存在になっている。
その一方で、県内では捨て犬、捨て猫や多頭飼育なども問題となっており、保護をしたり譲渡会を開催するなど動物愛護団体の努力だけでは難しく、県民の動物愛護と適正飼養に対する理解の促進にさらに取り組むことが重要と考える。
さらには、このような県内の動物愛護の取り組みをより広域的に担うための拠点機能が必要だとして、2018年4月に岩手県動物愛護センター(仮称)基本構想がまとめられたが、その後の進捗がみられないのが現状である。
ついては、助けを必要としている動物へ手を差し伸べ、人と動物が共生する社会を目指すため次の事項について請願する。
(請願事項)
1 動物取扱業者に対する指導や監視の強化を図ること。
2 動物の愛護に関する普及啓発の充実を図ること。
3 岩手県動物愛護センター(仮称)の早期設置を図ること。