73 沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂の採掘をしないよう求める請願
令和4年6月28日
環境福祉委員会
議決日:令和4年7月5日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
(請願趣旨)
地方自治法第99条の規定に基づき、政府関係者に対し、沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂の採掘をしないよう求める。
1945年の沖縄戦では一般住民を巻き込んだせい惨な地上戦が行われ、多くの貴い命が失われた。沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある平和の礎には、国籍、軍人、民間人の区別なく、沖縄戦で亡くなられた24万1,686名の氏名が刻銘されており、岩手県出身の沖縄戦戦没者も685名を数える。
糸満市摩文仁を中心に広がる沖縄本島南部地域は、1972年の本土復帰に伴い、戦争の悲惨さや命の貴さを認識し、戦没者の霊を慰めるために、自然公園法に基づき、戦跡としては日本で唯一の沖縄戦跡国定公園として指定されている。同地域では、沖縄戦で犠牲、自決を強いられた住民や、戦闘で命を落とした兵士(アメリカや朝鮮半島出身者など各国の兵士の遺骨も含む)の遺骨が残されており、戦後76年が経過した今でも、戦没者の遺骨収集が行われ、DNA鑑定による身元確定、遺骨を遺族へ返還する取組も続いている。
沖縄戦の戦没者の遺骨を含む可能性のある地域の土砂を採掘することは、個々人の信仰や政治的立場を超えて、人倫にもとる非人道的な行為であり、到底許されるものではない。戦没者、その遺族の尊厳、人権を何重にも踏みにじるものである。国際人権法の観点からも、日本における少数派である沖縄県の人々の人権、権利は保護、尊重されなければならない。
ついては、戦没者の遺骨収集を着実に推進するためにも、次の事項について国に意見書を提出するよう請願する。
(請願項目)
1 悲惨な沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂の採掘をしないこと。
2 日本で唯一、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦が行われた沖縄の事情に鑑み、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律により、日本政府が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。