101 新型コロナウイルス感染症の5類感染症への変更に伴う、子どもの発育・発達への配慮と周知徹底を求める請願
令和5年3月14日
環境福祉委員会
議決日:令和5年3月23日
議決結果:採択
送付
(請願趣旨)
政府より令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症の分類が5類に引き下げられる方針が発表されたことを受け、基本的感染症対策の緩和について、厚生労働省厚生科学審議会感染症部会から留意点が示された。留意点には、マスクを含む基本的な感染対策については(中略)個人の判断に委ねることを基本とし、今では過剰とも言える感染対策は、できる限り早期に見直しを行いつつ新型コロナウイルス感染症の特性を踏まえ、有効な方法について、引き続き丁寧に情報発信し、国民の理解と協力を得られるようにすべきであると書かれている。
マスク着用は個人の判断に委ねると指針が出ているが、コロナ禍が始まり3年、感染症対策としてメディア、自治体、教育機関から一律にマスク着用を推奨され続けてきた子どもたちは、もう既に自分の判断でマスク着用の有無を決定できない心理的状況に置かれているのではと大変危惧している。
子どもたちのマスク着用に関しては、身体的な影響があるというデータが示されているほか、子どもを取り巻く大人たちのマスク着用が心と脳の健全な発育にとって弊害であるとの見解を示す専門家もいる(明和政子「マスク社会が危ない」宝島社新書、2022)。しかし、今までそういった弊害や危険性といったデメリットは私たち市民に周知されてこなかった。
しかし、マスク着用を個人の判断に委ねたとき、マスクを外そうと選択するための情報が県民のもとに届いておらず、適切な判断ができないのではと考える。ウイルスに対する恐怖心を取り払うような情報と、子どもたちの健やかな成長のため県民の意識を変えるような丁寧な情報発信が今こそ必要だと考える。
子どもは地域の宝、未来の宝であるとともに、私たち大人は子どもたちの健やかな成長を願ってやまない。特に率先してマスク着用を推奨してきた行政は、個人のマスク着用の議論だけではなく、マスク社会が与える影響という視点でこの問題を解消する責任があると考える。
以上の趣旨に基づき、下記の事項について請願する。
(請願事項)
1 新型コロナウイルス感染症の特性を明示し、県民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある状態ではない趣旨の情報の周知を行うこと。
2 発達段階の子どもたちにとって、マスク着用のメリット・デメリットが理解できるような情報の周知を行うこと。
3 理解促進に向けて県の広報媒体を通じた情報発信を行うとともに、県内の小中高等学校や幼稚園などの教育機関に対して情報の周知を行うこと。
4 上記3点を通じて、子どもたちが個人の判断でマスクの着脱が行えるよう醸成を図り、健やかな発育・発達の妨げにならないよう十分に配慮すること。