4 福祉灯油の全市町村での実施を求める請願
令和5年10月13日
環境福祉委員会
議決日:令和5年10月20日
議決結果:採択
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(請願趣旨)
岩手県に住む私たちにとって暖房は不可欠であり、灯油はその主力エネルギーとして欠くことができない生活必需品であるが、1リットル100円以上、18リットル1缶では2,000円以上の灯油価格が2年間も続き、暮らしを圧迫している。
現在の灯油価格も、1リットル125円(1缶2,255円)と高く、原油価格は高値のまま維持されている状況である。政府の燃料油価格激変緩和対策事業が行われているが、それでも昨年同時期と比較して1割も高い状況である。
原油は、ロシアによるウクライナ侵攻による1バレル(159リットル)110ドルという異常な高騰は収まったものの、OPECプラスによる協調減産とアメリカの需要拡大が供給不足感を作っており、高値となっている。現在は1バレル90ドルに迫り、今後も上昇の可能性がある。加えて日本では1ドル147円という円安が、灯油価格に影響を与えている。
2022年度冬期間における平均的な家庭の灯油代は、いわて生活協同組合調べでは893リットル(18リットル缶で約50缶)の使用で約96,000円と、2年連続で9万円を超え、一昨年より2万円以上も負担が増えている。
今年も、電気、ガス、食料品を始めとする生活関連品の継続した値上げが行われているが、厚生労働省によると、令和5年7月の実質賃金は昨年同時期と比較して2.7%の減少となっており、実質賃金のマイナスは昨年4月から16か月連続している。賃金上昇が物価高に追い付かず、暮らしは厳しさを増している。
こうした中で1缶2,000円以上もの灯油代の負担は、冬場の家計を圧迫する。政府による激変緩和対策は12月末まで実施されるが、来年以降の実施は決まっておらず、補助終了後の高値への不安も増している。
寒冷地のセーフティネットとして、福祉灯油は必要な施策だと考える。
岩手県は私たちの要請を受けとめ、全33市町村での福祉灯油や光熱費の助成を2021年、2022年と続け、昨年は助成額を増やし、生活弱者に寄り添った施策となっている。
低所得家庭が少しでも安心して温かい冬が過ごせるよう、全市町村を対象にした福祉灯油などの支援策を、昨年以上に対象を拡大し、今年度も実施するよう要望する。
(請願事項)
寒冷地岩手のセーフティネットとして、低所得者のための福祉灯油等の助成を、全市町村を対象に規模を拡大して実施すること。