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請願・陳情

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議案名

12 安全・安心を無視した無秩序なライドシェアの導入に反対し地域公共交通を守る施策の推進を求める請願

受理年月日

令和5年12月4日

付託委員会

総務委員会

本会議議決結果

議決日:令和5年12月12日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択

措置

送付

内容

(請願趣旨)
 バス及びタクシー事業は、利用者の減少により経営が落ち込む中で、新型コロナウイルス感染症の拡大による更なる収入の減少や燃料高騰等の経営圧迫によって雇用への不安を抱える運行を担う運転者の離職により、コロナ禍後の需要の回復への対応が困難となっている。運転者不足を要因とした路線バスの便数削減やタクシー稼働台数の減少は、地域住民の生活に欠かせない移動手段の確保に暗い影を落としている。安全で安心して暮らせる地域社会を作りだすためには、国は地域公共交通の維持・再生に必要な新たな財政支援制度を創設し、こうした現状を改善すべきである。
 国は現在、大都市圏や一部観光地におけるタクシーの供給不足を理由に、一般のドライバーが利用客から運送対価を受け取り、自家用車で利用客を送迎するライドシェアの導入に向けた検討を進めている。しかし、自動車配車アプリによるライドシェアは、アプリ運営事業者と登録ドライバーとの雇用関係がないことで、需給状況やドライバーによる運送対価が変動するなど安定したサービスの提供が困難である。また、事件、事故発生時に事業主体は責任を回避し、ドライバー個人が責任を負う仕組みとなっている。事件、事故やトラブルは、当事者間での解決となることで、他国では訴訟問題になり、結局被害者が救済されない。このように、多くの問題点が識者からも指摘されており、ライドシェアはOECD加盟国の約8割で禁止されているのが現状である。
 これまで日本では、道路運送法等による利用者の安全性を最優先に考え、二種免許による運転技術の確保や運行管理と車両の整備管理等の規制によって危険な白タク行為を禁止することにより、世界で唯一、誰でも安全・安心に利用できる道路運送事業者として存在している。
 こうしたことから、利便性だけを考慮してライドシェアが無秩序に地域で展開されれば、結果的に利用者の安全・安心が担保されない事態が常態化することが考えられる。さらに、地域に根ざした安全・安心なタクシー事業が成り立たなくなることが危惧される。
 また、ライドシェアは、タクシーを駆逐するだけでなく、バスや鉄道の利用者も奪うこととなり、地域公共交通を維持するために努力してきた地方公共団体のこれまでの取組をも台なしにする恐れがある。
 よって、国においては、地域公共交通の役割を担っているバス・タクシー事業者が、より安全・安心で快適で便利な交通機関として、利用客にサービスを提供できる施策を推進するよう、次の事項について、地方自治法第99条に基づき、国に対する意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
1 安全・安心を無視した無秩序なライドシェアの導入を行わないこと。
2 地域公共交通を守るための施策を推進すること。

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