37 福祉灯油の全市町村での実施を求める請願
令和6年10月3日
環境福祉委員会
議決日:令和6年10月10日
議決結果:採択
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(請願趣旨)
岩手県に住む私たちにとって暖房は不可欠であり、灯油はその主力エネルギーとして欠くことができない生活必需品である。
今年9月上旬の配達灯油価格は、1リットル118円(1缶2,127円)である。昨年同時期と比較して1缶で130円程度安いが依然高値である。政府の燃料油価格激変緩和対策事業が行われているが、1リットル110円以上、18リットル1缶では2,000円を超える高値が既に3年間も続き、県民の暮らしを圧迫している。
ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原油高騰は、現在も中東の政情不安やOPECプラスによる協調減産によって維持されたままである。加えて日本では円安が灯油価格に影響を与え、労務コスト、運送コストの上昇も反映されるため、今年冬期の灯油価格も昨年並みの価格になるか、あるいは燃料油価格激変緩和対策事業が本年12月で終了すればさらに高値になることも考えられる。
この3年間の冬期間における平均的な家庭の灯油代と使用量の平均は、いわて生活協同組合の調べでは2021年度97,400円(926リットル)、2022年度95,800円(893リットル)、2023年度97,600円(858リットル)と、いずれも9万円を超える支出をしており、しかも灯油価格が高額なため使用量を節約してしのいでいる。
今年も、生活関連やサービス商品の継続した値上げが行われており物価は依然高いままである。勤労者には賃金上昇があったとしても、年金生活者や非正規労働者などは物価増に追いつく収入増は見込めず、暮らしは厳しい状態である。
こうした中で1缶2,000円以上もの灯油代負担は、冬場の家計を圧迫する。
寒冷地のセーフティネットとして、福祉灯油は必要な施策だと考える。
岩手県は私たちの要請を受けとめ、全33市町村での福祉灯油や光熱費の助成を2021年、2022年、2023年と続け、さらに昨年は1世帯当たりの助成額上限を7,000円に増やすなど、生活弱者に寄り添った施策を継続している。
上記のように暮らしの厳しさが続く中では、低所得家庭が少しでも安心して温かい冬を過ごせるよう、全市町村を対象にした福祉灯油などの支援策を、昨年度以上に拡充し、今年度も実施するよう要望する。
(請願事項)
寒冷地岩手のセーフティネットとして、低所得家庭のための福祉灯油等の支援を全市町村を対象に、助成額や対象者の範囲などを拡充して実施すること。