82 ムコ多糖症の治療に必要不可欠な国内未承認薬の承認の迅速化等を求める請願
平成18年10月5日
環境福祉委員会
議決日:平成18年10月13日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
送付
超希少難病ムコ多糖症において、その治療上必要不可欠な医薬品に係る承認の迅速化を図るとともに、医薬品供給施策を早急に講じられ、さらに早期診断技術の開発及び医薬品供給に係る抜本的制度改革がなされるよう、県議会において、以下の事項について、関係機関に意見書を提出されるよう請願する。
1 国内未承認薬に関する審査の迅速化を図り、申請から承認までの期間の短縮化を実現すること。
2 国内未承認薬に関する承認申請者がない場合における当該薬の供給施策を早急に講じること。
3 新生児スクーリングなど患者の早期診断技術の開発を推進すること。
4 超希少難病に関する国内未承認薬問題の抜本的解決を図るため、新たな制度の創設をすること。
(理由)
ムコ多糖症は、体内の代謝物質であるムコ多糖を分解する酵素が欠損しているため、ムコ多糖が体内に蓄積し多様な障害を引き起こす、患者数が極めて少ない進行性難病である。
近年、開発された治療法の酵素補充療法は、欠損酵素を体内に補充し、蓄積したムコ多糖の分解を促進することにより症状の改善や悪化防止を図るもので、この治療に必要不可欠な医薬品が酵素製剤である。
しかし、当該医薬品は、欧米諸国では既に数種類が承認・使用され、その効果及び安全性が確認されているが、国内では未承認の医薬品(以下「国内未承認薬」という。)であることから、患者は酵素補充療法が受けられない状況にある。
また、ある酵素製剤に至っては、承認申請をする者がないことから、使用の見込みが立たず、患者、家族等が膨大な費用負担を余儀なくされる個人輸入に望みをつなぐ事態となっている。
このため、ムコ多糖症患者は、治療薬が存在するにもかかわらず、使用環境が整わないことから、生命及び健康の維持に必要な医療の恩恵を享受することができず、症状の進行を食い止められない状況下に置かれている。
以上の現状を踏まえ、岩手県議会において、国に対して、超希少難病であるムコ多糖症に係る国内未承認薬問題に対する抜本的解決がなされるよう強く要望されるよう請願するものである。