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請願・陳情

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議案名

9 私学への国庫補助制度の継続、私学助成の大幅拡充を求める国への意見書採択に関する請願

受理年月日

平成15年9月24日

付託委員会

商工文教委員会

本会議議決結果

議決日:平成15年10月3日
議決結果:意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択

措置

送付

内容

 日頃より私学振興に関する御尽力に感謝する。
 さて、御承知のように国の三位一体改革に基づき、2006年度までの3年間で4兆円に上る国庫補助の廃止・削減が行われようとしている。
 この方針に基づき、去る7月29日の経済財政諮問会議で決定された16年度予算の全体像では、義務教育費国庫負担金の削減とともに奨励的補助金に触れて「奨励的補助金については、廃止・縮減を原則として、着実に削減する」とし、奨励的補助金である私学助成の廃止・削減、一般財源化を示唆している。
 1975年に私立学校振興助成法に基づき国庫補助が実施されて以降、私学への国庫助成は、各自治体の財政状況に左右されることなく国が私学助成の水準を高め、公教育としての私学の振興を図るために極めて大きな役割を果たしてきた。
 現在全国では、高校生の3割、幼稚園児の8割が私学に通っているが、私学への国庫助成は、こうした生徒・父母の教育費負担の軽減を図るとともに、私学の教育条件の改善を図る上で重要な役割を持ってきた。
 現在、私立高校に学ぶ子供たちの初年度納付金は、全国平均で674,000円と公立高校の5.7倍にも上っている。しかし私学の教育条件は、公立高校の専任教員1人当たりの生徒数が13.6人に対して私立高校教員は1人当たり18.5人の生徒を担当する劣悪な条件のもとに置かれている。こうした劣悪な教育条件のもとでも、私学は父母・国民の要請に応える教育改革を進めるために、懸命の努力を重ねている。
 こうした現状のもとで、三位一体改革に基づく私学への国庫助成の廃止・削減、一般財源化が強行されれば、私学の教育条件は一層劣悪なものになり、父母の学費負担が増大するだけでなく、多くの私学の経営は深刻な状況に追い詰められて各都道府県の公教育に大きな影響を及ぼすことは必至である。同時に三位一体改革では国の補助金削減とともに、地方財政計画における歳出抑制、地方交付税の抑制が企図されており、地方への財源移譲の具対策が明らかにされずに、大きく地方財政が圧迫されかねない状況にある。
 いじめや不登校、相次ぐ少年事件など、子供たちをめぐる状況は残念ながら憂慮すべき事態になっている。今こそ一人一人の子供たちに、学費負担の心配をさせることなく、豊かでゆきとどいた教育を保障することが重要である。また、現在の少子化問題が将来の日本社会にもたらす諸問題を考えたとき、子供を生み育てる環境改善の重要な部分として、父母の教育費負担を抑えるために国の積極的な役割を果たすことが必要である。
 国は、父母の学費負担を抑え、私学への国庫補助を廃止・削減して一般財源化するのではなく、私学への国庫助成の一層の拡充を図るべきである。
 以上の立場から、貴議会において以下の点について御尽力いただくよう請願する。

1 地方自治法第99条の規定により、国に対して、私学への国庫補助制度を継続し、私学助成の大幅拡充を求める意見書を提出すること。

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