認定第1号 平成21年度岩手県立病院等事業会計決算
平成22年9月24日
議決日:平成22年10月22日
議決結果:意見を付し原案認定
●企業会計決算附帯意見
認定第1号 平成21年度岩手県立病院等事業会計決算
医療を取り巻く環境が一層厳しさを増す状況にありながらも、医療の近代化、高度化を積極的に推進し、公的病院及び地域医療の中核医療機関として、その使命を果たしてきた努力は評価するところである。
平成21年度の経営収支は、恒常的な医師不足による診療体制の弱体化等に伴い、入院・外来患者数がともに減少している中で、入院基本料の上位施設基準取得等により医業収益が増加した。また、給与改定等により給与費が大幅に減少したこと等から事業費用は減少し、この結果、当期の純損失は、前年度に比べ7億8,000万円余減少し、収支改善の兆候は見られるものの、21億円余の純損失が生じ、当年度末の累積欠損金は189億円余となっている。
このような中、各病院等では、医師の確保はもとより、県立病院間の診療応援や臨床研修の充実、更には医師の勤務環境の改善等にも取り組んでいるが、今後も医師の絶対数の不足や医療資源の地域別・診療科別の偏在等が続くものと見込まれ、厳しい経営環境に置かれることが予測される。
今後の経営に当たっては、引き続き国に対し、公立病院等の運営や勤務医に配慮した診療報酬の改定や財政措置の強化、医師等人材の確保・育成支援、さらには就業環境整備の支援等を積極的に要請するほか、県民の十分な理解と協力のもと市町村との連携を着実に推進しながら、医師確保や医療資源の有効活用と累積欠損金の解消に向けた更なる経営改善や、地域医療の中核としての県立病院改革への取組をより一層進め、安定した経営基盤の確立と良質で効率的な医療提供体制の構築を図り、もって県民に信頼される医療サービスの充実、向上に努められたい。
なお、無床化された地域診療センターについては、地元市町村や民間の力を借りた入院ベッドの復活等、空きスペースの活用方策が進められているが、これまでの経緯にかんがみ、県として、引き続き当該地域の医療の充実に特段の努力と支援を図られたい。