議案第1号 平成27年度岩手県一般会計予算
平成27年2月17日
議決日:平成27年3月23日
議決結果:意見を付し原案可決
●平成27年度岩手県一般会計予算 附帯意見
多くの尊い命と財産を奪った東日本大震災津波の発生から4年が経過した。
この間、生活環境に支障のある全ての災害廃棄物が撤去され、本格復興に向けて各地で新たなまちづくりが進められる一方、いまだに多くの被災者が応急仮設住宅などでの不自由な暮らしを余儀なくされている。
このような状況を踏まえ、復興が順調なものとそうでないものをしっかり区別しながら、風化させることなく、市町村とともにより一層被災者一人ひとりに寄り添い、被災者が復興の実感を持てるよう一日も早い復興を進めていくことが求められる。
このため、国に対しては、国費による充実した支援と復興財源の確保、復興の加速化に向けて支障となっている現行制度の弾力的な運用や特例制度の創設等により、既存の枠組みを超える強力な復旧・復興対策を講ずるなどの支援要請に努められたい。
さらに、JR山田線は復旧工事に着手したものの、JR大船渡線の復旧や事業用地、復興を担う人材の確保については、本格復興を進める上での大きな課題となっており、その解消に最大限の努力を傾注されたい。
また、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響が依然として残っていることから、放射線影響対策にしっかり取り組むとともに、今後も必要な損害賠償が受けられるよう努められたい。
一方で、内陸地域の活力が沿岸地域の復興を支えていくことにも十分配慮し、人口減少対策、県民所得水準の向上、雇用環境の改善、地域医療の確保等、今後、県民の経済及び生活に大きく影響を及ぼし復興の妨げとなることが懸念される課題の克服に向け、若者や女性の活躍を力強く後押ししながら県の総力を結集して取り組まれたい。
特に、完全国体の幕開けとなる冬季大会を含む国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の成功や国際リニアコライダーの建設の実現は、大震災からの復興と再生の象徴となることから、万全を期されたい。
また、本県の財政状況は、県債の償還が依然として高い水準で推移する中、今後、社会保障関連経費が伸びていくことや、財政調整基金などから多額の取崩しが続いていることから、引き続き厳しい局面が続くものと見込まれる。
こうした中、4年連続で1兆円を超える当初予算を編成したところであるが、過去3年決算が不認定となった結果を踏まえ、適正な執行に留意するとともに、効果の発現に向け早期執行を図られたい。また、今後の財政運営に当たっては、あらゆる手法により歳入を確保するとともに、歳出の徹底した見直しや一層の選択と集中を図るなど、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努め、本格復興の着実な推進に全力で取り組まれたい。