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議員提出議案の詳細情報

発議案第3号 アスベスト対策を求める意見書

番号
発議案第3号
議決年月日
平成17年10月3日
議決結果
原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣

 アスベスト対策を求める意見書

 国民の安全を確保し、被害者の救済を進めるため、アスベスト対策についての包括的な取り組みを進められたい。

理由
 アスベスト製品を過去に製造していた企業の従業員や家族、工場周辺の住民が、アスベストによると思われる中皮腫や肺がんで死亡した事例が相次いで報告されている。特に、株式会社クボタの旧神崎工場では、従業員のみならず家族や周辺住民にも中皮腫による死亡者が出ているとの報告がある。
 アスベスト被害に対する国民の不安は非常に高まっており、正確な情報を求める声が強くなっている。また、アスベストが原因とされる健康被害を受けながら労災補償されていない労働者やその家族、周辺住民等の被害者からも、救済を求める声が相次いでいる。
 こうした事態を受け、政府は先般、アスベスト問題に関する関係省庁会議を設置し、実態把握、相談窓口の設置等の取り組みを進めているが、国民の安全を確保し、被害者の救済を進めるための包括的な取り組みが求められている。
 よって、国においては、アスベスト対策について、下記項目を早急に実施するよう強く要望する。

1 アスベスト問題に関する関係省庁会議を格上げして、内閣総理大臣を本部長とするアスベスト対策本部を設置し、政府をあげてアスベスト対策を推進すること。
2 教育施設をはじめとする公共建築物、民間建築物のアスベスト利用状況の徹底した調査を行い、利用者に対する適切な情報開示、ばく露防止のための対策を進めるとともに、解体作業に際してその情報が適切に利用できるよう体制整備を進めること。
3 過去から現在に至るアスベスト取扱い事業所において、取扱い作業に従事した者のアスベストによる健康被害の可能性などについて情報提供を行うよう、事業者へ徹底すること。
4 産業保健推進センター、保健所や労災病院等で健康被害について相談できる窓口を整備するとともに、ペメトレキセド(アリムタ)の早期承認などの診断治療体制の整備や、より鋭敏かつ効果的な診断法・治療法の開発のための研究を進めること。
 また、そのための中皮腫登録制度を創設すること。
5 アスベスト取り扱い事業所の過去・現在の労働者及びその家族の健康診断を進めるよう事業者に対して徹底するとともに、ばく露による影響が想定される周辺住民等の健康診断に対応できるよう、地方自治体の健診事業等のあり方を適切に見直すこと。
6 アスベストによると想定される肺がん・中皮腫はその潜伏期間がきわめて長期であることを踏まえ、現行の制度下で救済の対象とならない事例の労災認定のあり方について検討を行うとともに、現行制度では救済されない人たちの救済を図ることを主眼にした新法を早期に制定すること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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