年金受給者の生活を守るため、物価の上昇に見合う老齢基礎年金等の支給額の改善を行うことを強く要望する。
理由
厚生労働省は、令和6年1月19日に2024年度の年金改定率を67歳以下、68歳以上ともに名目賃金変動率の3.1%を用いて改定すると発表した。また、2年連続してマクロ経済スライドを適用し、2024年度の調整分0.4%を削減するとしている。
これが実施されれば67歳以下、68歳以上の年金改定率は共に2.7%プラスとなるが、物価との関係でみれば、実質的には0.5%の減少となり、第2次安倍政権以降の12年間で公的年金は実質7.8%、新規裁定者は7.5%の減少となる。
物価高騰などで年金生活者の実質可処分所得は大きく目減りしており、年金だけでは生活できず、働く高齢者も増えている。また、物価高騰が続く中で食費すら削らざるを得ない年金受給者もおり、年金の増額は待ったなしの課題となっている。
年金はそのほとんどが消費に回ることから、相次ぐ年金削減で地域経済は冷え込み、地方財政に大きな影響を与え、自治体の行政サービスにも直結する問題となっている。
国民年金法第4条には、この法律による年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならないと規定されており、物価上昇を上回る年金支給額の速やかな引上げを行うことが求められる。
よって、国においては、年金受給者の生活を守るため、物価の上昇に見合う老齢基礎年金等の支給額の改善を行うことを強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。