農家が安心して営農するための渇水対策を講ずるよう強く要望する。
理由
今秋の米の作柄については、夏場の高温が心配されたが、農家の努力や関係団体の指導等により、品質及び収量ともに上々の出来となり、喜びの収穫の秋を迎えようとしている。
一方、今年を振り返れば、冬場の少雪に加え、4月以降は高温・少雨傾向が続き、一部農業用ダムでは貯水率が極端に低くなった。
夏期に向けて渇水が心配されたことから、北上川上流渇水情報連絡会は、6月19日に臨時幹事会を開催し、盛岡市以南を中心に6割超の土地改良区で農業用水の取水に影響が出ているとの調査結果を報告し、断水措置等の対策を共有した。
また、北上川から取水している藤沢土地改良区曲田地域等では、北上川が渇水と増水を繰り返した影響により、河川の取水施設周りの状況が変容し、土砂だまりによって取水出来ない状況が頻発した。
近年の気候の変化に鑑みると、今後も河川の渇水が懸念される一方で、夏期の高温対策として水田の水の入替えをこまめに行うことが必要になる等、農業用水の需要は高まっている。
よって、国においては、農家が安心して営農するための渇水対策について、 次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 農業用取水施設について、本来の能力が発揮されるよう、近年の河川の変化に対応した農業用取水施設の改修及び維持管理のための予算を確保し、事業化を行うこと。
2 農業用水確保のための農業用取水施設の改修及び維持管理が容易となるよう、河川管理者において、特段の配慮を行うこと。
3 河川管理者と農業関係団体が連携して渇水対策に取り組めるよう、連携強化を図ること。
上記のとおり地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。