水道事業を取り巻く多くの課題を解決し、将来にわたって持続可能な水道事業を構築していくため、水道事業の維持に対する支援を充実するよう強く要望する。
理由
水道は、国民の日々の生活や経済活動にとって欠くことのできない重要なライフラインであるが、水道事業では、将来にわたって事業の持続性を確保するために、適切な管理による健全な施設の保持、財政基盤の確保、経営ノウハウや技術力等を有する人材の育成・確保等といった基盤の強化を図ることが不可欠となっている。
しかしながら、全国の水道事業者が、人口減少により給水収益が減少する中、老朽施設の大量更新への対応、熟練技術者の退職に伴う次世代への技術の継承等の様々な課題を抱えており、中小規模の水道事業者が今後も単独経営を維持した場合、将来的に事業を安定的に継続させることが困難になることが懸念されている。
また、古い施設の多くは耐震性が低く、本年1月に発災した能登半島地震では、老朽化した水道管などに甚大な被害が出現し断水が長期化したことから、全国的に今後の大規模地震に備えた早期の更新が必要であり、更新に対する国の技術的及び財政的支援の更なる充実が求められているとともに、職員確保や経営面でのスケールメリットの創出につながる広域連携の手法を活用することが、中小規模の水道事業者において有効であることから、事業の広域化や業務の共同化による広域連携の推進に対する国の支援も強く求められている。
よって、国においては、水道事業を取り巻く多くの課題を解決し、将来にわたって持続可能な水道事業を構築していくため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 水道施設の耐震性及び安全性強化のための整備を促進するとともに、老朽化に伴う施設の更新や給水人口の減少に伴うダウンサイジング等の再構築事業に係る経費に対する財政措 置の充実強化を図ること。
2 事業の広域化に対する支援のみならず、施設の共同化や管理の一体化等の業務の共同化も支援の対象とするなど、地域の実情に応じて広域連携の取組が推進できるよう必要な財政措置を行うこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。