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議員提出議案の詳細情報

発議案第3号 高額療養費見直しの丁寧な検討等を求める意見書

番号
発議案第3号
議決年月日
令和7年10月10日
議決結果
原案可決

添付ファイル

内容

  当事者である患者の命と暮らしを守るため、高額療養費制度の見直しについては、1年間程度、丁寧に時間をかけて再検討するとともに、高額療養費の自己負担上限額の引き上げは行わず、軽症患者の医療費を優先して見直すよう強く要望する。
理由
  高額療養費制度は、治療が長期にわたる患者等にとって命綱であり、制度の拡充を目指すべきである。しかし、国は高額療養費制度を見直し、2025年8月から3回に分けて、自己負担上限額を引き上げようとした。これに対して、がんや難病等の治療を続ける患者及びその患者を支える家族等が引き上げの凍結を求めて諦めずに声を上げ続けたことにより、国は引き上げを見送り、本年秋までに再検討するとした。
  高額療養費の自己負担上限額の引き上げは、治療が長期にわたる患者やその家族に甚大な影響を及ぼすことから、国の引き上げ方針に対して、がんや難病の患者など、制度を利用している当事者から、生活が成り立たなくなる、治療の継続を断念しなければならなくなるといった悲痛な声が数多く上がった。
  国が行おうとした引き上げは、命に関わる問題であるにもかかわらず、当事者の意見を聴かず、短期間で拙速に決定されたものであり、プロセスも不適切であった。高額療養費制度を見直す際には、患者団体等の専門委員会への参画のみならず、患者団体等の意見の反映という適正な手続きを経るべきである。
  また、制度を利用している当事者の生活実態を調査するとともに、長期にわたり高額療養費の支給を受けた者の療養に必要な費用の負担が家計に与える影響及び高額療養費の支給を受けた者の必要かつ適切な受診に与える影響を考慮する必要があり、国が再検討の期限とする本年秋までという短期間では、これらを十分に行うことはできない。
  よって、国においては、当事者である患者の命と暮らしを守るため、高額療養費制度の見直しについては、1年間程度、丁寧に時間をかけて再検討するとともに、高額療養費の自己負担上限額の引き上げは行わず、軽症患者の医療費を優先して見直すよう強く要望する。
  上記のとおり地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。

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