教育活動における安全と適切な教育環境を確保するため、教育現場における法令遵守の徹底を図るよう強く要望する。
理由
2026年3月、沖縄県名護市辺野古沖において、高校の修学旅行中に小型船が転覆し、尊い命が失われるという重大な事故が発生した。未来ある若者が教育活動の場で犠牲となったことは痛恨の極みであり、遺族に対し深く哀悼の意を表するものである。
本事故をめぐっては、これまでの調査により、波浪注意報が発表された中での出港判断や無許可・無登録営業等、安全管理及びコンプライアンス上の重大な問題点が明らかになっている。文部科学省の調査報告においては、学校側の安全管理体制を著しく不適切とし、児童生徒の多角的な視点を育むべき平和学習の場において特定の政治的立場を強調した内容が実施されていたことについて、教育基本法第14条第2項に違反するとの判断が下された。
公教育における修学旅行や校外学習は、児童生徒の健全な育成を図る重要な機会であり、絶対的な安全の確保と偏向のない適正な教育環境の確保が大前提である。二度とこのような悲惨な事故を繰り返さないためにも、全国の学校における安全管理体制の再点検とともに、教育基本法の趣旨にのっとった適正な教育活動の在り方を徹底することが強く求められる。
よって、国においては、教育活動における安全と適切な教育環境を確保するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 海上保安庁及び運輸安全委員会等の関係機関においては、事故船舶の運航状況や気象条件について徹底的な原因究明を行い、速やかに全容を解明するとともに、違法運航と断定された場合には、関わった者に対する厳正な処置を講ずること。
2 文部科学省においては、今回の事故原因を踏まえ、学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドラインを速やかに見直すこと。また、教育基本法第14条第2項に基づき、教育の政治的中立性が現場において遵守されるよう明確な運用基準を提示し、不適切な事例に対しては指導及び是正措置を講ずること。
3 国土交通省においては、観光地や校外学習現場における安全性を確保するため、無許可・無登録営業等の違法な海上運航事業者に対する監視・監督体制を強化し、徹底した取り締まりを行うこと。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。