緊急銃猟制度の実効性を高め、将来にわたり持続的な野生鳥獣管理体制を構築するため、ハンターの処遇改善等の制度の整備等を図るよう強く要望する。
理由
広大な県土を有し、その約8割を豊かな山林が占めている本県では、近年の大規模調査に基づく個体数推計によれば、ツキノワグマの推定個体数が従来の目標個体数を大幅に上回る約5,200頭に達するなど、野生鳥獣の過密化、高水準化が顕著となっている。
これに伴い、農林業への甚大な被害のみならず、住宅街や通学路といった住民の日常生活圏への侵入が相次いでおり、地域経済と住民の生命を脅かす事態は、災害級の危機的状況にある。地域住民の安心・安全を確保するためには、山林内及び緩衝地帯における積極的な個体数調整(捕獲)及び被害防止策の強化が不可欠である。
こうした中、国において、令和7年9月に改正鳥獣保護管理法が施行され、緊急銃猟制度が創設されるなど、現場の法的リスク軽減に向けた法整備が一歩前進した。
しかしながら、新制度の下でも、発砲に伴う民事、刑事上の責任や、万一の事故への懸念、さらには正当な捕獲活動に対する外部からの過剰な抗議等、現場のハンターや地方自治体に課される負担は依然として重い。また、最前線を担うハンターの高齢化と減少は深刻を極めており、危険度や拘束時間に見合わない極めて低い処遇や補償制度の不備といった構造的課題の解決は一刻を争う。
よって、国においては、新制度の実効性を高め、将来にわたり持続的な野生鳥獣管理体制を構築するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 緊急銃猟等の正当な捕獲活動に関し、ハンター個人が不当に刑事、民事及び行政上の責任を問われないよう免責要件をより明確化すること。また、万一の事故に備え、既存の賠償保険制度の拡充や、緊急銃猟時の責任関係の明確化など、現場が安心して活動できる補償・救済環境を整備すること。
2 命の危険を伴う捕獲、出動に対する報償金(出動手当)が地方自治体により異なるため、平準化に向けて地方自治体への財政支援を拡充すること。また、活動中の負傷や死亡事故に対し、公務災害並みの補償が適用される仕組みを確立すること。
3 銃器の購入、所持許可申請及び維持管理並びに安全訓練等にかかる多大な費用について、地方自治体への財政支援等を通じて、ハンター個人の費用負担を軽減できる仕組みを強化すること。
4 地域の安全確保のための正当な捕獲活動を行う現場に対し、不当な誹謗中傷や苦情電話等が行われないよう、国が主導して野生鳥獣管理の必要性と法的な正当性を強く発信し、国民の正しい理解が得られるよう広く周知すること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。