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議員提出議案の詳細情報

発議案第14号 原油価格・物価高騰及び中東情勢の緊迫化に伴う地方経済及び住民生活への支援に関する意見書

番号
発議案第14号
議決年月日
令和8年7月3日
議決結果
原案可決

添付ファイル

内容

 危機に瀕する地方の暮らしと地域経済を守り抜くため、機動的かつ実効性のある総合的な経済対策を早急に打ち出し、地方経済及び住民生活への支援措置を講ずるよう強く要望する。
 理由
 中東地域をめぐる緊張の高まりは、原油価格やエネルギー市場の不安定化を通じて世界経済に大きな影響を及ぼしており、我が国においても物価高騰や企業活動、住民生活への影響が深刻さを増している。
 地方においては、急速な人口減少や少子高齢化、深刻な担い手不足や若者の圏外流出等、特有の厳しい構造的課題に直面する中で、燃料費や資材価格、食料品価格の上昇が地域経済を直撃している。さらに、賃金上昇が物価上昇に追いつかず、多くの住民が日々の暮らしに強い不安を抱えており、地域経済や地域コミュニティの維持そのものが危機に瀕している。
 とりわけ、経営基盤の弱い中小企業・小規模事業者、農林水産業者、運輸・物流事業者は、エネルギー価格や原材料価格の高騰による極めて深刻な経営圧迫に直面している。また、24時間体制で空調や医療機器を稼働させる医療機関や、入所者の生活環境を維持する介護・福祉施設においても、光熱費や食材費、石油由来の医療用資材の価格高騰が経営を厳しく圧迫し、サービスの維持に苦慮する状況が続いている。
 今後、中東地域の緊張が更に長期化・激化した場合、日常生活や移動において自家用車や化石燃料、都市ガスではなくⅬPガスへの依存度が高い地方ほど、その社会的・経済的影響を不条理に強く受けることとなる。これに加え、気候変動に伴う自然災害への対応や、資材不足・価格高騰による復旧の遅れも重なり、現場の忍耐は限界に達している。
地方自治体としても、これまで重点支援地方交付金等を活用し、ⅬPガス利用者への負担軽減や中小企業の賃上げ支援など、地域固有の実情に応じた対策を懸命に講じてきた。しかし、人件費やエネルギー価格の上昇が続く中、既存の交付金留保分による対応は限界を迎えており、新たな大幅な財政措置がなされなければ、今後の物価高・賃上げ対策を継続することは不可能な現状にある。
よって、国においては、危機に瀕する地方の暮らしと地域経済を守り抜くため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 エネルギー価格の安定化と直接的な負担軽減策の継続・拡充
電気・ガス・灯油・ガソリン等のエネルギー価格の更なる高騰に備え、国民生活や経済活動を下支えする負担軽減策(激変緩和措置等)を国主導で機動的かつ継続的に実施すること。特に、地方部において利用者の多いⅬPガスの利用者負担軽減についても、地域の実情を考慮した確実な支援を実施すること。
2 医療・福祉施設への経営支援と医療用資材の安定確保
光熱費や食材費、重油代等の高騰により極めて厳しい経営状況にある病院や介護・福祉施設に対し、事業継続のためのあらゆる財政的支援を検討すること。また、医療用手袋、カテーテル、AED関連部品等、石油由来の原材料を使用した医療・介護用資材の製造コスト上昇に伴う調達困難を回避し、医療・福祉の現場に支障を来すことのないよう、万全の供給・価格安定化対策を講ずること。
3 農林水産業への生産資材・燃油高騰対策及び災害復旧支援
燃油、肥料、飼料及び諸資材の価格高騰に直面する農林漁業者の経営を守るための激変緩和、補填措置を強力に講ずること。また、ビニールハウスの被覆材や肥料袋、発泡スチロール製の魚箱、漁網、ロープ等の製造コスト上昇に伴う調達困難対策を講ずるとともに、春先の強風等により各地で発生している農業用ビニールハウスの破損、倒壊に対し、資材の入荷遅延対策や早期の復旧・再建に向けた柔軟な財政支援を行うこと。
4 地域の基盤を支える運輸・物流事業者への重点的支援
燃料をはじめとする物価高騰の影響をダイレクトに受けている運輸・物流事業者は、地方の生活路線や経済の血液を維持する生命線である。いわゆる「2024年問題」等の構造課題も踏まえ、これら事業者への燃料費負担軽減や経営基盤強化、労働環境改善のための緊急的かつ重点的な支援措置を講ずること。
5 地方自治体が迅速に対策を講ずるための財政措置の大幅な拡充
灯油・LPガス需要の高さや広大な物流網、地方における賃上げ支援等、地方自治体が地域固有の実情に応じたきめ細かな対策を迅速に実行できるよう、原油価格・物価高騰対策について、地方交付税の増額等、迅速かつ柔軟な地方財政措置を講ずること。また、補正予算における中東情勢等対策予備費等の財源については、地方の暮らしに万全を期すため、可及的速やかに交付すること。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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