子どもの健やかな成長を確保し、全ての障がい児が居住地域や世帯の経済状況にかかわらず、等しく適切な支援を受けられる環境を整備するため、3歳未満児の児童発達支援に係る利用料の完全無償化を実現するよう強く要望する。
理由
障がいのある子どもや、その可能性のある子どもへの児童発達支援は、将来の自立や社会参加を促す上で極めて重要である。国は、幼児教育・保育の無償化に伴い、3歳から5歳までの障害児通所支援等の利用料を無償化しているが、0歳から2歳児までの3歳未満児については、市町村民税非課税世帯等を除き、依然として所得に応じた自己負担が課されている。
近年、発達障害やそのリスクへの理解の進展と、乳幼児健診等におけるスクリーニング精度の向上により、児童発達支援のニーズは急速に高まっている。利用者数は右肩上がりで増加しており、3歳未満から早期に利用する子どもも著しく増加している。これは、保護者が子どもの発達上の特性に早い段階で気づき、専門的な支援を求める傾向が強まっていることの表れであり、もはや一部の限定的な福祉サービスではなく、普遍的な子育て支援として定着しつつある。
また、脳の発達が著しい3歳未満の時期に適切なアプローチを行う早期発見・早期療育は、重症化防止、日常生活動作・コミュニケーション能力の向上に極めて高い効果をもたらすとされている。しかし、現行制度では市町村民税課税世帯に利用料の自己負担が発生するため、頻回利用が必要なケースや医療費負担が大きい世帯において、経済的理由による利用控えが発生している。重要な時期に所得による支援格差が生じることは、子どもの可能性を狭めることにつながりかねない。
さらに、本州一の広大な県土を持つ本県においては、児童発達支援事業所や療育指導員等の専門職が都市部に偏在し、受け皿が極端に少ない地域も存在するなど地域格差が顕著である。過疎地や中山間地域では、片道1時間以上かけて通所せざるを得ないケースも多く、多大な時間的負担に加え、日々のガソリン代等通所コストが重くのしかかっている。この地理的負担に加え、利用料が上乗せされることは、二重の経済的負担となっており、都市部に比べて早期療育の利用を一層困難にしている。
よって、国においては、子どもの健やかな成長を確保し、全ての障がい児が居住地域や世帯の経済状況にかかわらず、等しく適切な支援を受けられる環境を整備するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。
1 3歳未満児の児童発達支援に係る利用料について、世帯の所得状況にかかわらず、完全無償化すること。
2 全国どこに住んでいても一律に無償で質の高い支援が受けられるよう、地方自治体の独自財源に依存しない全額国費による財政措置を図ること。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。