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議員提出議案の詳細情報

発議案第14号 身近な地域で安心して出産できる助産システム等の実現を求める意見書

番号
発議案第14号
議決年月日
平成21年12月9日
議決結果
原案可決

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

 身近な地域で安心して出産できる助産システム等の実現を求める意見書

 身近な地域で安心して出産できる助産システム等の実現のため、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 全国的な産婦人科医の絶対的な不足により、拠点病院への産科の集約化が進められてきたが、その結果、地域に産科がない空白地帯は拡大しており、妊産婦やその家族に不安と負担を強いることとなっている。
 このような中、身近な地域での妊婦の健康管理と安心な出産には、妊娠から出産まで一貫した見守りや出産後のケアも行う助産師の活用が不可欠であるが、平成18年6月の医療法改正により、分娩を取り扱う助産所は、産科又は産婦人科を担当する医師等を嘱託医師・嘱託医療機関として定めなければならず、その設置は厳しい現状にある。
 また、最近では、妊婦健診を受けないままの飛び込み出産や緊急搬送のケースも増えてきているが、女性の就労環境の問題や妊婦自身の意識の問題があるとはいえ、その多くは経済的な理由が背景にあると考えられる。国では、妊婦健診への財政措置の拡充を平成22年度までの2年間としているが、社会保障の最低基準を定めたILO第102号条約では、妊娠・分娩は母性医療給付の対象とされており、国際社会では女性の生涯にわたる健康支援は人権として認められ、妊娠・出産は公費負担とされていることからも母体と新生児の健康を守るため、妊婦健診への継続した財政措置が求められる。
 一方、本年より開始された「産科医療補償制度」について、創設は評価するものの、補償対象が極めて限定的であることに加え、その運営組織が国の機関ではなく、財団法人日本医療機能評価機構であること、民間保険制度を使った補償であることなど国のチェックが働く仕組みとなっていないことは大きな問題である。
 よって、国においては、身近な地域で安心して出産できる助産システム等の実現のため、次の事項について、特段の措置を講ずるよう強く要望する。

1 助産師を活用するための措置を充実すること。
2 分娩を取り扱う助産所の嘱託医療機関等の確保を開設者個人に義務付けるのではなく「周産期医療対策事業」の実施主体である都道府県が仲介に入って確保するよう改めること。
3 妊婦健診はだれでも最低14回は無料で受けることができるよう財政的な措置を行うこと。
4 産科医療補償制度について、補償対象の拡大、公正・公平な運営組織による運営、透明性のある運営の確保及び国の責任に基づく公的補償となるよう抜本的な見直しを行うこと。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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