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議員提出議案の詳細情報

発議案第10号 人生の最終段階にある傷病者に対するアドバンス・ケア・プランニングの普及と心肺蘇生等を望まない場合の蘇生処置のあり方に関する統一的な指針の整備を求める意見書

番号
発議案第10号
議決年月日
平成30年3月20日
議決結果
原案可決

添付ファイル

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

 人生の最終段階にある傷病者に対するアドバンス・ケア・プランニングの普及と心肺蘇生等を望まない場合の蘇生処置のあり方に関する統一的な指針の整備を求める意見書

 人生の最終段階にある傷病者におけるアドバンス・ケア・プランニングの普及と心肺蘇生等を望まない場合の蘇生処置のあり方を示す統一的な指針を早急に整備するよう強く要望する。

 理由
 在宅医療の推進により、自宅や施設で最期を迎える人が今後増えていくことが予想される中、人生の最終段階における望ましい最期を傷病者本人、家族、医療従事者などが話し合いながら意思を形成していくアドバンス・ケア・プランニングの普及が求められている。
 そのような中、救急医療の現場において、119番通報により駆けつけた救急隊が、現地に到着してから初めて、人生の最終段階にある傷病者が心肺蘇生等を望んでいないことを伝えられる事例が発生している。
 報道機関が行った調査によれば、延命治療を望まない終末期の高齢者らが心肺停止となり、駆けつけた救急隊員がいったん開始した蘇生処置を中止した事例は、全国の主要20消防機関で、2017年末までの3年間に少なくとも54件あったとされている。
 このような場合、傷病者の救命を優先して心肺蘇生等を実施すべきか、あるいは傷病者の意思に沿って中止すべきかの判断を迫られ、救命するという救急活動の原則と傷病者の意思とのはざまで救急隊や消防本部が苦慮する状況が各消防本部のみならず、全国的な会議においても報告されている。
 また、一般社団法人日本臨床救急医学会の「人生の最終段階にある傷病者の意思に沿った救急現場での心肺蘇生等のあり方に関する提言」によると、現状では政令指定都市を対象にした調査では、多くが「傷病者等の希望や医師の指示に関わらず心肺蘇生等を実施する」とする一方で、およそ3割が「心肺蘇生等を中止する、もしくは中止することを許容する」と回答している状況にある。
 このことについて、2017年に消防庁から委託された研究班が、終末期にある介護施設などの高齢入所者が持病や老衰で心肺停止した場合を前提に、蘇生を希望しない本人の意思と心肺蘇生等を実施しない旨のかかりつけ医の指示が合わせて確認できれば、救急隊員は蘇生処置を中止できるとしたマニュアルをまとめ、全国約500か所の救命救急センター等に手順案が配布されたが、このような場合において蘇生処置に関する全国的な統一基準や指針がなく、各消防機関によって対応が分かれている状況にあるため、統一的な指針を早急に整備する必要がある。
 よって、国においては、アドバンス・ケア・プランニングの普及を図るとともに、救急現場における心肺蘇生等を望まない傷病者の蘇生処置のあり方を示す統一的な指針を早急に整備するよう強く要望する。
 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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