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議員提出議案の詳細情報

発議案第9号 医療的ケア児支援法の理念を実現するための十分な措置を求める意見書

番号
発議案第9号
議決年月日
令和3年7月6日
議決結果
原案可決

添付ファイル

内容

意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣

 医療的ケア児支援法の理念を実現するための十分な措置を求める意見書

 医療的ケア児支援法の理念を実現するための措置を講ずるよう強く要望する。

理由
 近年、医療技術の進歩により、いわゆる「医療的ケア児」が増加しており、その数は全国で約2万人と推計され、10年前に比べると大幅に増加している。
 一方、子ども本人はもとより、在宅ケアを担う保護者の負担は大きく、医療的ケア児やその家族をどのように支えていくかが社会課題となっている。
 そのような状況の中、保育所や学校への看護師等の配置や、全国に支援拠点を設置することを柱とする医療的ケア児支援法が令和3年6月に成立し、医療的ケア児及びその家族の日常生活を社会で支える仕組み作りや家族の離職防止に向けて適切な対応を取ることが国や地方公共団体の責務と明記されたことは大きな前進である。
 しかし、現状を見れば市町村によって医療的ケア児を支える公的及び民間サービスにはばらつきがあり、医療的ケア児とその保護者を支援する人材や施設等が恒常的に不足しているなど課題は大きい。
 よって、国においては、こうした現状を十分に理解し、医療的ケア児支援法の理念を実現するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 県が設置する支援拠点は、医療、教育、雇用労働分野などの多職種で構成され、保護者からの相談をワンストップで受けることができるようにし、医療的ケア児やその兄弟、家族のメンタルケア機能及び特別支援学校だけではなく各市町村、小・中・高等学校等、保育所、幼稚園等でも全国基準のケアを行うための指導教育機能が備えられるよう、十分な財政措置を講じること。また、本県のような広大な面積を有する都道府県においては、複数の拠点が設けられるよう特段の配慮を行うこと。
2 特別支援学校や小・中・高等学校等、保育所等に配置される看護師、介護福祉士、ヘルパーは地方において人手不足が続いている。人材の育成、確保に国を挙げて取り組むこと。介護福祉士で医療的ケアを行える人材の育成及び処遇改善を行うこと。
3 小・中・高等学校等や保育所等において医療的ケア児を受け入れられるよう、バリアフリー化や看護師等以外の介助を行う人材の確保等に特段の配慮を行うこと。
4 医療的ケア児及びその家族や受け入れる学校及び地方公共団体が早期の入学準備、受け入れ体制の整備が出来るよう、法令で定められている障がいのある子供の就学先決定のモデルプロセスのタイムスケジュールを前倒しし、各地方公共団体に早期の入学先決定を促すこと。
5 子どもがNICUにいる期間が長い等、1年で育児休業を終了して仕事に復帰できない保護者のため、2年の育児休業の要件に医療的ケア等子どもが療育を要する場合も追加すること。子供の介護を理由に保護者が離職しないよう、介護休暇制度の周知等、職場の理解増進を図ること。
6 保護者がフルタイムで働けるよう、特別支援学校及び小・中・高等学校等、保育所等の受け入れ時間の改善や通学支援の充実、放課後デイサービスの充実に取り組むこと。
7 家族の離職防止施策を全国で整えていくには、時間がかかることから、医療的ケア児及び家族を支える直接的な就学支援及び移動支援制度を構築すること。保護者の付き添い負担が軽減されるよう訪問看護の居宅縛りを外し、訪問看護師の通学や移動時への付き添いを認めること。医療的ケアを行える介護福祉士等の通学時や移動時の付き添いを認めること。併せて障害福祉サービスの介護給付に係る国庫負担基準を引き上げること。

 上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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