意見書提出先:衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣
加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的支援制度創設を求める意見書
加齢性難聴者の補聴器購入について、全国統一の公的支援制度を創設するよう強く要望する。
理由
加齢性難聴は、コミュニケーションを困難にするなど日常生活を不便にし、生活の質を落とす大きな原因となるばかりか、最近ではうつ病や認知症の危険因子になることも指摘されている。この聞こえの悪さを克服し、音や言葉を聞き取れるようにし、日常生活を快適に過ごすことができるよう補完するのが補聴器である。
日本の難聴者率は、欧米諸国と比べて大差はないが、補聴器の使用率は欧米よりかなり低くなっている。この背景には、日本において補聴器の価格が高額であることに加え、公的支援制度が不十分なことがある。欧米では補聴器を医療のカテゴリーとしてとらえ、両耳の聴力レベルが41デシベル以上の中等度難聴者から補聴器購入に対する公的補助制度が確立されているが、日本においては、両耳70デシベル以上の高度・重度難聴に対して、補装具支給制度により補聴器の購入に必要な補助が行われているが、その対象者はわずかである。
補聴器が更に普及すれば、高齢になっても生活の質を落とさず、心身ともに健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながると考えられており、加齢性難聴者の補聴器購入に対する補助を行う自治体も増加している。
よって、国においては、加齢性難聴者の補聴器購入について、全国統一の公的支援制度を創設するよう強く要望する。
上記のとおり地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。