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石油製品の安定供給と原油高騰への特別対策についての請願

9 石油製品の安定供給と原油高騰への特別対策についての請願

受理番号
9
受理年月日
平成23年10月17日
付託委員会
環境福祉委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
議決年月日
平成23年10月21日
措置
送付
備考

内容

受理番号:9
 石油製品の安定供給と原油高騰への特別対策についての請願

 3月11日の東日本大震災後の極端な灯油、ガソリン、軽油不足は、被災者と県民の生活を苦しめた。東北に住む私たちにとって灯油は欠くことができない命やくらしを守る生活必需品であり、ガソリンや軽油などの石油製品は暮らしや経営、経済そのものにとって不可欠の物資であることを、改めて思い知らさた。あの1ヶ月にもわたる深刻な石油製品不足の背景には、行き過ぎた規制緩和や市場競争任せの弊害がある。石油元売会社は、製油所や油槽所、タンクローリー車を最低限にまで削減し続けてきたからである。
 灯油在庫についても、不足を心配する消費者の声があるにも関わらず、過去最低の在庫量で2010年度の需要期に入り、そのまま低在庫を理由にして高価格を維持してきた。その結果、石油大手3社は2010年度も、また今年の第一四半期でも巨大な利益をあげている。こうした状況について、消費者、事業者として納得できない思いを持っている。
 今冬は、東北唯一の仙台製油所が来年3月まで稼動せず、東北は油槽所などの備蓄に頼らざるを得ない状況である。タンカーによる輸送は毎年繰り返されているように、天候によって接岸出来ない日が続けばタンクは空になり出荷されない状況に陥ることが予測される。さらに、電力問題により、関東以南での灯油使用量も増えることが予想され、石油製品の供給について東北の消費者、事業者は大きな不安を持っている。特に被災地はガソリンスタンドの絶対数の不足も心配している。再び量不足、流通の滞りがおきないよう、今冬の供給について行政による責任は重要である。
 価格についても心配である。昨年秋に1バレル75ドルだった中東原油はその後上昇し続け、現在は105ドルになり、さらに高騰の様相である。このままでは今年の灯油は昨年より18リットル1缶で200円以上も高い、1,600円〜1,700円にもなり、ガソリン、軽油についても値上げが懸念される。東日本大震災でのダメージから東北の暮らしや地域経済は一層の厳しさを増す中、このような異常な価格ではこの冬を乗り越えられない。
 原油高騰は、投機マネーが主な原因だといわれており、欧米の政府が努力しているように、投機を抑えるための取引の透明化や取引高制限などの規制に日本政府も率先して努力するべきである。
 石油製品の高騰は中小零細事業者や農林漁業者などにも大きな打撃を与える。2008年の原油高騰の際には、県から自治体への助成がありましたが、2008年度以上の負担が予想される今年こそ必要である。被災者はもちろんのこと、高騰に苦しむ農林漁業者や中小零細事業者、生活弱者支援にもなるような、特別な救援策を講じていただきたい。
 以上のように、生活必需品であるにも関わらず、私たち岩手の住民が毎年のように量と価格に悩まされるのは、現在の石油行政にも問題があると考える。行政不介入の立場を改め、石油製品の適正価格と安定供給に政府が責任を持つような、新しい石油行政を作ることを強く望む。
 ついては、岩手県として以下の対策を実施するよう強く要望する。

(請願事項)
1 寒波や不測の事態を考慮して被災者や県民への供給が滞らないように、岩手県としても安定供給に向け積極的に取り組むこと。そして今冬、石油製品の量不足が再び起きないよう、経済産業省などの関係機関や石油元売会社に強く働きかけること。
2 岩手県として、次の支援策を行うこと。
 (1) 東日本大震災被災者への救済のための被災者支援灯油や、生活弱者支援のための福祉灯油の補助の実施、拡充の対策を講じること。
 (2) 石油高騰に苦しむ農林漁業者、運輸業者、中小零細事業者に向けて効果的な支援策を行うこと。
3 国に対して、以下の内容の働きかけを行うこと。
 (1) 東日本大震災時の石油製品の量不足や流通の停滞が再び起きないよう安定供給に向け、石油業界まかせにせず国としての責任と役割を果たすこと。
 (2) 東日本大震災での被災者に対し、被災者支援灯油など救済のための制度を新設して支援対策を行うこと。
 (3) 国として、次の対策を行うこと。
  ア 低所得者、経済的弱者のための福祉灯油の実施、拡充を行うこと。
  イ 石油高騰に苦しむ農林漁業者、運輸業者、中小零細事業者に向けて効果的な支援策を行うこと。
 (4) 灯油高騰の要因となっている原油への投機マネーの流入について、日本が率先して各国と連携し、規制を行うこと。
 (5) 石油製品の適正価格と安定供給のために、新しい石油行政を構築し、石油業界に対し行政不介入ではなく、行政の責任と役割を強める法律を作ること。設備の被災を理由にした供給不足、流通の停滞、他油種より灯油だけを高くするなどの行為が行われないよう監視すること。

※項目2(2)及び3(3)イは商工文教委員会に付託
また、項目1、3(1)、3(4)及び3(5)は環境生活部所管

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