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2020年度最低賃金引き上げに関する請願

14 2020年度最低賃金引き上げに関する請願

受理番号
14
受理年月日
令和2年3月13日
付託委員会
商工建設委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
議決年月日
令和2年3月24日
措置
送付
備考

内容

受理番号:14
 2020年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 日本の最低賃金は、都道府県ごとに4つのランクに分けられ、地域別最低賃金の2019年度の改定では、最も高い東京都は時給1,013円、岩手県を含む最低額の15県は790円である。これでは毎日フルタイムで働いても月11万円から14万円までの手取りにしかならず、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活はできない。
 しかも、時間額で223円にまで広がった地域間格差によって地方から労働力が都市部へ流出し、地方の人口減少を加速させ、高齢化と地域経済の疲弊を招いている。今、全国の多くの自治体が、人口減少に苦しんでいる。地域経済を再生させる上で、最低賃金を全国一律に是正することと抜本的に引き上げることは、必要不可欠な経済対策である。
 全国労働組合総連合が行っている最低生計費試算調査によれば、健康で文化的な生活をする上で必要な生計費に、地域による大きな格差は認められない。また、若者が自立した生活に必要な生計費は、月に22万円から24万円まで(税込み)の収入が必要との結果である。月150時間の労働時間で換算すると時給1,500円前後が必要となる。世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD諸国で最低水準である。また、そのほとんどの国で、地域別ではなく全国一律制となっている。最低賃金を引き上げるためには、中小・零細企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策の拡充が必要である。公正取引の観点からも、下請け企業への単価削減・賃下げが押しつけられないように指導し、適正な契約で労働者が生活できる賃金水準を保障することが必要である。最低賃金を引き上げることで中小企業に働く労働者の約4割の賃金を引き上げることができる。労働者・国民の生活を底上げし購買力を上げることで、地域の中小・零細企業の営業も改善させる地域循環型経済の確立が求められている。
 労働基準法は、第1条で、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないとしており、最低賃金法第9条は、労働者の健康で文化的な生活を営むことができるようにするとしている。最低賃金を大幅に引き上げつつ地域間格差をなくして、中小企業支援策の拡充を実現するため、2020年の最低賃金改定に当たり、次の事項について請願する。

(請願事項)
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
 (1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、2010年の雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意に基づき、できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指すことを実現すること。
  イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2) 以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額、月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
  ウ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を抜本改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げるための中小企業支援策を抜本的に拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度や中小企業の社会保険料負担や税の減免制度等を実現すること。
 (3) 最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。

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