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2021年度最低賃金引き上げに関する請願

43 2021年度最低賃金引き上げに関する請願

受理番号
43
受理年月日
令和3年3月17日
付託委員会
商工建設委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
別記のとおり
議決年月日
令和3年3月25日
措置
送付
備考
別記

【意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択】
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
 (1)最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、2010年の雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意を踏まえ、できる限り早期に全国最低800円を確保し、全国平均1,000円を実現すること。
  イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
 (2)以下の制度改正を行うこと。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
  ウ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を抜本改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げ、コロナ禍を克服して経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度や中小企業の社会保険料負担や税の減免制度等を実現すること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。

【不採択】
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
 (1)最低賃金について、以下のように改善すること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2)以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額、月額設定を復活させること。
 (3)最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。

内容

受理番号:43
 2021年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 厳しい日本経済にコロナ禍が追い討ちをかけ深刻な危機に直面している。
 コロナ禍でライフラインを守る労働者の多くが、最低賃金近傍の低賃金で働いている。急激な経済停滞により失業や労働時間削減に追い込まれているのが、パート、派遣労働者、契約労働者、アルバイトなど非正規雇用やフリーランスで働く労働者である。東北、中国、四国、九州など最低賃金が低い地域での中小零細企業の経済的ダメージは深刻である。
 2008年のリーマンショックの際、世界各国は賃金の引上げを含む内需拡大で、経済危機を克服してきた。しかし、日本は、派遣切りや不安定雇用の拡大、賃金の抑制で企業利益の拡大を進めた。その結果、国民間の格差と貧困化が大きく広がった。コロナ禍を克服し、日本経済の回復を進めるためには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を高める必要がある。そのためには、最低賃金の改善による賃金の底上げが必要である。
 日本の最低賃金は、都道府県ごとに4つのランクに分けられ、地域別最低賃金の2020年度の改定では、中央最低賃金審議会が目安を示さず、最も高い東京都は時給1,013円に据え置き、岩手県は3円引き上げて793円、最低の7県は792円にとどまった。これでは毎日8時間働いても月11万円から14万円の手取りにしかならず、個人が自立して生活することすら困難である。
 しかも、地域間格差が時間額で221円もあり労働力が地方から都市部へ流出し、地方の人口減少を加速させ、高齢化と地域経済の疲弊を招いている。最低賃金を全国一律に是正し抜本的に引き上げることは、貧困をなくす点では福祉政策であり、地域経済を守るための経済対策である。
 全国労働組合総連合が行った調査では、健康で文化的な生活をする上で必要な最低生計費は、どの地域でもほぼ同額で、若者が自立した生活をする上で必要な最低生計費は、月に税込み22万円から24万円の収入が必要であり、月150時間の労働時間で換算すると時給1,500円前後が必要となる。
 最低賃金を引き上げるためには、中小企業や零細企業支援が必要である。具体的には政府による助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策の拡充と大胆な財政出動が必要であり、また、下請け企業への単価削減、賃下げが押しつけられないように公正取引ルールが実施される指導が必要である。労働者、国民の生活を底上げし購買力を上げることで、地域の中小企業や零細企業の営業も改善させる地域循環型経済の確立が可能になる。
 労働基準法は、第1条で、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないとしており、最低賃金法第9条は、労働者が健康で文化的な生活を営むことができるようにするとしている。最低賃金の地域間格差をなくし、抜本的に引き上げるため、中小企業支援策の拡充など、2021年の最低賃金改定に当たり、次の事項について請願する。

(請願事項)
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
 (1)最低賃金について、以下のように改善すること。
  ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、2010年の雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意を踏まえ、できる限り早期に全国最低800円を確保し、全国平均1,000円を実現すること。
  イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
  ウ 審議会や専門部会の公開性を高めること。非正規労働者が意見陳述する機会を必ず設けること。
 (2)以下の制度改正を行うこと。
  ア 最低賃金の日額、月額設定を復活させること。
  イ 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
  ウ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を抜本改正すること。
  エ 最低賃金を引き上げ、コロナ禍を克服して経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度や中小企業の社会保険料負担や税の減免制度等を実現すること。
 (3)最低賃金違反を根絶するため、労働基準監督官を大幅に増員し、監督行政の強化を図ること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。

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