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物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める請願

97 物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める請願

受理番号
97
受理年月日
令和5年3月1日
付託委員会
環境福祉委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
議決年月日
令和5年3月23日
措置
送付
備考

内容

受理番号:97
 物価上昇に見合う老齢基礎年金等の改善を求める請願

(請願趣旨)
 2019年6月の金融審議会報告の老後の生活資金2千万円不足問題や、同年8月発表の財政検証による基礎年金が30年で3割減、厚生年金の給付水準2047年度には2割減にとの報道(2019年8月28日付け朝日新聞)は、年金生活者をはじめ多くの国民に衝撃を与えた。老齢基礎年金だけで生活している高齢者もおり、国民年金保険料の納付期間25年以上で月平均約5万6千円であり、納付期間25年未満では月平均約1万9千円である。衣食住の全ての分野で切り詰めた生活をしても、この金額では生活することは不可能であり、これでは憲法第25条が保障する健康で文化的な生活を営むことは不可能である。この数字を見れば、若い世代も老後の将来展望を持つことはできない。
 相次ぐ年金削減により、生活保護世帯へ移行する高齢者も増えてきている。生活保護受給世帯に占める高齢世帯の割合は55.3%にもなっている(厚生労働省「月次被保護者調査」2021年1月)。高齢者の生活保護世帯への移行は、自治体の財政を圧迫するようになっている。
 年金はそのほとんどが消費に回る。相次ぐ年金削減で地域経済は冷え込み、地方財政に大きな影響を与え、自治体の行政サービスにも直結する問題となっている。このような事態を受けて、全国政令指定都市20市は、2017年に国に対して国民年金に関する要望書を提出した。要望書には、公的年金制度そのものが高齢者や障害者の生活を安心して支えるものとなるよう老齢基礎年金等の支給額を改善されるよう要望する、年金受給者の中には毎月払いへの要望もあることを考慮しながら、引き続き年金制度の安定的な運営に向けて検討されるよう要望するとある。年金生活者や全国政令指定都市20市の要望を受けて、2020年に成立した年金制度改革関連法では、基礎年金の水準低下への対策を求める附帯決議も付き、それを受けて、厚生労働省も基礎年金改善の検討を始めている。
 しかしながら、2021年4月からの年金額は、追い打ちをかけるかのように前年度比で0.1%削減され、さらに2022年度は前年度比0.4%も削減された。これは、今まで物価変動率に合わせて年金を改定してきたものを、一昨年から物価変動率と名目手取り賃金変動率の低い方に合わせるようにしたからである。さらに、2019年10月に実施された消費税増税、医療・介護保険料の負担増、一向に収束しない新型コロナウイルス感染症の全国的な広がりによる経済不況が、年金受給者の生活に深刻な影響を及ぼしている。
 厚生労働省は1月20日に2023年度の年金改定額は物価変動率がプラス2.5%、名目賃金変動率がプラス2.8%とし、3年ぶりにマクロ経済スライドを適用し、67歳以下は2.2%、68歳以上は1.9%引き上げると発表した。しかし、厚生労働省の改定の指標としている物価変動率2.5%は高齢者、消費者の生活実態から掛け離れている。2022年12月の消費者物価指数は食料品は7.0%、電気代は21.3%、ガス代は23.3%増で、消費者の実感は10%以上の物価高である。そして、マクロ経済スライド適用で0.6%引き下げることは実質減額になる。私たちは物価高騰に見合う分の年金額の引き上げを求める。
 財政検証にあるように、年金減額が続くなら、年金受給者の生活はますます苦しくなるばかりである。その結果、生活保護世帯への移行が増加し、住民税の減収とも相まって、自治体の財政圧迫を招くことになる。年金改革は待ったなしの状況である。国民の年金不安を無くして老後の安心を作り、併せて自治体の財政健全化のために、来年度からは、物価の上昇に合わせた年金改定を行うことが求められる。
 ついては、私たちの切実な願いである下記事項について、地方自治法第99条に基づき国に意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
 若者も高齢者も安心して老後を暮らせるように、物価の上昇に見合う老齢基礎年金等の支給額の改善を行うこと。

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