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2023年度最低賃金引き上げに関する請願

98 2023年度最低賃金引き上げに関する請願

受理番号
98
受理年月日
令和5年3月1日
付託委員会
商工建設委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
別記のとおり
議決年月日
令和5年3月23日
措置
送付
備考
【意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択】
 1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 2010年の雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意を踏まえ、全国平均1,000円を目指すことを早期に実現すること。
(2) 以下の制度改正を行うこと。
ウ 最低賃金を引き上げ、コロナ禍を克服して経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度や中小企業の社会保険料負担や税の減免制度等を実現すること。
 2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。
【不採択】
 1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
ウ 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、時間給1,500円以上を目指すこと。
(2) 以下の制度改正を行うこと。
ア 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
イ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を抜本改正すること。

内容

受理番号:98
 2023年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 第8波に及ぶ新型コロナウイルス感染症の感染拡大と、気候変動や円安、ウクライナ危機などの影響による異常な物価の高騰は、市民生活を圧迫し、中小零細企業を中心に打撃を与え、地域経済を疲弊させている。とりわけ、最低賃金近傍の賃金で働くパートタイム労働者、派遣労働者、契約労働者など非正規雇用やフリーランスなど弱い立場の労働者の生活破綻は深刻である。この難局を乗り越えるには、GDPの6割を占める国民の消費購買力を引き上げ、賃金の底上げを図ることが不可欠であり、最低賃金の大幅引上げと地域間格差をなくす全国一律へ法改正を行うことがこれまで以上に重要になっている。
 2022年の改定による地域別最低賃金は、最も高い東京都で時給1,072円、最も低い地方は853円となっている。岩手県は33円の引上げで854円となり、東北単独最下位は脱したが、全国で下から2番目の低水準である。これでは毎日8時間働いても月12万円から15万円の手取りにしかならず、最低賃金法第9条3項の労働者の健康で文化的な生活を確保することはできない。地域別であるがゆえに、岩手県と東京都の地域間格差は218円もあり、労働力の流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる大きな要因になっている。地域経済を再生させる上でも、地域間格差の是正と最低賃金の大幅な引上げが必要である。
 全国労働組合総連合と地方組織が行っている最低生計費試算調査によれば、健康で文化的な生活をする上で必要な生計費に地域による大きな格差はなく、若者が自立した生活をする上で必要な最低生計費は、月に24万円、月150時間の労働時間で換算すると時給1,500円以上必要との結果が出されている。
 世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD加盟主要諸国では最低水準であり、ほとんどの国で全国一律制を採っている。そして、政府として大胆な財政出動を行い、公正取引ルールを整備するなど具体的な中小企業支援策を確実に実施し、最低賃金の引上げを支えている。日本でも、中小企業への具体的で十分な使いやすい支援策を抜本的に拡充、強化する必要がある。
 労働者の生活と労働力の質、消費購買力を確保しつつ、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会を実現したいと考える。最低賃金を全国一律制度にして抜本的に引き上げるため、2023年の最低賃金改定に当たり、次の事項について請願する。
(請願事項)
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 2010年の雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意を踏まえ、全国平均1,000円を目指すことを早期に実現すること。
イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
ウ 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、時間給1,500円以上を目指すこと。
(2) 以下の制度改正を行うこと。
ア 最低賃金を年金支給額、下請単価、業者や農民の自家労賃などに連動させ、ナショナル・ミニマム(国民生活の最低保障)の基軸とすること。
イ 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を抜本改正すること。
ウ 最低賃金を引き上げ、コロナ禍を克服して経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、賃金助成制度や中小企業の社会保険料負担や税の減免制度等を実現すること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策をさらに拡充すること。

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