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令和5年度岩手地方最低賃金改正についての請願

102 令和5年度岩手地方最低賃金改正についての請願

受理番号
102
受理年月日
令和5年3月14日
付託委員会
商工建設委員会
委員会付託日
審査結果
委員会審査日
継続審査状況
議決結果
意見書を発議し、関係機関に要望することとして採択
議決年月日
令和5年3月23日
措置
送付
備考

内容

受理番号:102
 令和5年度岩手地方最低賃金改正についての請願

 令和5年度の岩手県最低賃金の改正に関して、岩手労働局、岩手地方最低賃金審議会及び政府に対して意見書を提出するよう請願する。
(請願趣旨)
 労働基準法第2条(労働条件の決定)は、労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものであると定めている。しかし、地域別最低賃金の影響を受けるパートタイム、有期及び派遣等労働者の多くは集団的労使関係になく、労働条件決定に関与することが難しい状況にある。
 ・国内外情勢について
 現下の日本の経済は、本年春先以降は、ウィズコロナの下、社会経済活動の正常化が進みつつあり、サービス消費を中心に回復の兆しがみられる。
 他方、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした国際的な原材料価格の上昇に加え、円安の影響などから、日常生活に密接なエネルギーや食料品等の価格上昇が続いており、実質賃金の低下や消費マインドの低下を通じた消費への影響や、企業収益の更なる下押しによる設備投資への影響等が懸念されている。
 ・経済政策について
 一方、政府は、物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策(令和4年10月28日閣議決定)で、4つの柱の一つ(第2章経済再生に向けた具体的施策、T物価高騰・賃上げへの取組、3.継続的な賃上げの促進・中小企業支援、(1)賃上げの促進)において、非正規雇用労働者の待遇の根本的改善を図るため、同一労働同一賃金の遵守を一層徹底するほか、最低賃金について、景気や物価動向を踏まえ、地域間格差にも配慮しながら、できる限り早期に全国加重平均が1,000円以上となることを目指し、引上げに取り組むとしている。さらに、構造的な賃上げが喫緊の課題となっている今こそ、賃上げ、労働移動の円滑化、人への投資という3つの課題の一体的改革を進めていくとしている。
 ・県内の動向について
 本県の令和4年度地域別最低賃金は854円(10月20日発効)と過去最高の33円の引上げとなったが、全国下位は変わらず、依然として都市部との格差解消に至っていない。さらに、年間2,000時間働いたとしてもワーキング・プアの水準とされる年収200万円にも満たず、日本国憲法第25条が保障する健康で文化的な最低限度の生活を営むことは不可能である。加えて、都市部へ若者が流出し人手不足が深刻化することが懸念されるなど、県内労働者の人材確保を更に厳しくする要因となっている。
 ・課題解決へ向けて
 そのことからも、コロナ禍が長引く中で社会機能を支えているエッセンシャルワーカーはもとより、パートタイム、有期及び派遣等労働者の賃金を働きの価値に見合った水準に引き上げることや、分配構造の転換につながり得る賃上げを図り、人への投資、底上げ、底支え及び格差是正に取り組むことで、内需を拡大させていくことが不可欠である。
 また、中小企業が経営基盤を強化し、賃上げ原資を確保するためには、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正配分とともに、中小企業、小規模事業者への実効性のある支援制度の充実や価格転嫁の円滑化などを通じ、中小企業、小規模事業者が賃上げしやすい環境整備を行い、企業の通常の支払いの能力を高めることが重要なことから、国による積極的な関与が必要である。
以上の観点から、次の事項について関係機関に対する意見書を提出するよう請願する。
(請願事項)
1 岩手労働局及び岩手地方最低賃金審議会への要請事項
(1) 令和5年度の岩手地方最低賃金の改正に当たっては、従来から深刻化している本県の人口流出の歯止めや人材確保、全国との格差解消、国の度重なる全国加重平均1,000円を目指すとの方針を鑑み、早期に1,000円を実現すること。
(2) 特定最低賃金の改正に当たっては、特定最低賃金の目的である労働条件の向上、事業の公正競争を確保する観点から地域別最低賃金より高い水準を確保する必要性や、これまでの産業別における経緯等を十分勘案して審議し改正すること。
(3) 県内で最低賃金を下回る賃金の労働者をなくすため、事業所に対する指導監督を強化し、最低賃金制度の履行の確保を図ること。
2 政府への要請事項
 最低賃金の引上げと同時に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による生活困窮から抜け出せない働く全ての労働者の処遇改善と、現下における原材料の高騰、物価高などの克服のための価格転嫁円滑化など、中小企業、小規模事業者に対する実効性ある支援制度の充実と利用促進のため周知の強化を図り、安全で安心な暮らしの実現に向け対策を行うこと。

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