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2026年度最低賃金引き上げに関する請願

84 2026年度最低賃金引き上げに関する請願

受理番号
84
受理年月日
令和8年3月12日
継続審査状況
議決結果
別記のとおり
議決年月日
令和8年3月23日
措置
送付
備考
別記
【採択】
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策を拡充し、継続的に支援すること。
【不採択】
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、時間給1,700円以上の早期達成を目指すこと。
イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間の金額差を縮小させるための施策を進めること。
(2) 以下の制度改正を行うこと。
ア 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(旧下請代金支払遅延等防止法)及び受託中小企業振興法(旧下請中小企業振興法)について抜本的な改正を行うこと。
イ 最低賃金を引き上げ、中小企業の経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。社会保険料について、企業規模に応じたものに転換し、中小企業、小規模事業者の負担軽減をすること。中小企業への賃金引上げの直接助成制度等を実現すること。

内容

受理番号:84
 2026年度最低賃金引き上げに関する請願

(請願趣旨)
 長引く物価高騰が県民の生活を圧迫している。特に、最低賃金近傍で働くパートや派遣、契約などの非正規雇用やフリーランスなど弱い立場の労働者の生活破綻が深刻である。また、価格転嫁ができずに苦しむ中小企業や小規模事業所の経営にも打撃を与えている。労働者の暮らしを守り、地域経済の回復を進めるためには、賃金引上げの動きを加速させ、GDPの6割を占める国民の消費購買力を高め、経済の好循環を作る必要がある。そのためには、最低賃金の抜本的改善による賃金の底上げが必要である。
 日本の最低賃金制度の問題は、@最低賃金が低すぎて生活できない、A全国一律制でないため、最低賃金の高い都府県に労働者が流出する、B中小企業支援が不十分、の三つである。昨年の改定で全国加重平均は1,121円(前年比プラス66円、プラス6.3%)になったが、生活改善を実感する水準には至っていない。オーストラリア2,456円、イギリス2,471円など、既に2,000円台に到達した世界水準には全く届いていない。
 最高額の東京都で時給1,226円、岩手県では1,031円、最も低い県では1,023円である。毎日8時間働いても月15万円から18万円であり、最低賃金法第9条第3項の労働者の健康で文化的な生活を確保することはできない。地域別であるがゆえに、岩手県と東京都では、同じ仕事でも時給で195円、年収で35万円もの格差がある。労働力の流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる大きな要因となっている。地域経済を再生させる上でも、全国一律最低賃金制度への転換と、水準の大幅な引上げが必要である。
 また、2025年改定では、発効日の大幅な先送りが急増したため、額面では地域間格差は212円から203円に9円縮小したが、半年間はむしろ275円に拡大するという新たな地域間格差を生んでいる。これも地域別最低賃金であることからくる問題である。
 全国労働組合総連合と岩手県労働組合連合会などの地方組織が行った最低生計費試算調査によれば、健康で文化的な生活をする上で必要な生計費に地域による大きな格差はなく、若者が自立した生活をする上で必要な最低生計費は、月に25万円、月150時間の労働時間で換算すると時給1,700円以上必要との結果が出されている。
 日本の最低賃金は、地域別であることが海外と比べても上がらない原因になっている。現行法では、最低賃金決定の3要素である、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮し、最低賃金額を決めている。地域別である限り、最低賃金額が低い地域では、その現状の賃金支払能力や経済状況をもとに最低賃金額が決められ、低いままとなる。このように地域別最低賃金制度は、引上げを妨げる構造的な欠陥がある。人口の一極集中や若者の都市部への流失を止めることもできず、最低賃金額が低い地域では、労働者の賃金が低くなり、年金、生活保護費、公務員賃金など、あらゆる生活と経済格差につながっている。最低賃金額が低い地域の経済の疲弊を生み、日本経済をゆがめている原因になっている。
 労働者の賃金は、経済の最も基本的なベースであり、このベースを一律にしなければ、どのような経済対策を講じても日本経済を再生することはできない。世界の最低賃金制度は、全国一律制度が主流であり、世界各国の制度と比較すると、日本の最低賃金は、OECD諸国で最低水準である。各国政府は大胆な財政出動を行い、公正取引ルールを整備するなど具体的な中小企業、小規模事業所支援策を確実に実施し、最低賃金の引上げを支えている。日本でも、全国一律制度に法改正する際、中小企業への具体的で十分な使いやすい支援策を抜本的に拡充、強化する必要がある。
 労働者の生活と労働力の質、消費購買力を確保しつつ、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会を実現したいと考える。最低賃金を全国一律制度にして抜本的に引き上げるため、2026年の最低質金改定に当たり、次の事項について請願する。
(請願事項)
1 次の事項を実現するために政府及び中央最低賃金審議会など関係機関に意見書を提出すること。
(1) 最低賃金について、以下のように改善すること。
ア 最低賃金は最低生計費を満たす金額とし、時間給1,700円以上の早期達成を目指すこと。
イ 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間の金額差を縮小させるための施策を進めること。
(2) 以下の制度改正を行うこと。
ア 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買い叩きや支払い遅延等をなくすため、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(旧下請代金支払遅延等防止法)及び受託中小企業振興法(旧下請中小企業振興法)について抜本的な改正を行うこと。
イ 最低賃金を引き上げ、中小企業の経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充すること。社会保険料について、企業規模に応じたものに転換し、中小企業、小規模事業者の負担軽減をすること。中小企業への賃金引上げの直接助成制度等を実現すること。
2 県として、最低賃金引上げのための中小企業支援策を拡充し、継続的に支援すること。

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