受理番号:96
不十分な報酬改定を見直し、すべてのケア労働者の処遇改善実現と安全・安心の医療・介護提供体制の維持につなげる改定実施を求める請願
(請願趣旨)
2026年度の診療報酬等改定に当たっては、地域から医療機関や介護事業所がなくなってしまう危機を回避するため、全てのケア労働者の処遇改善と医療・介護・福祉事業所が健全に運営できるための措置を国に求めてきた。同様の趣旨で、医療・介護・福祉の使用者団体、地方行政を担う市町村会及び全国知事会並びに多くの国会議員が、2026年度の診療報酬改定率の10%以上の引き上げと介護報酬・障害福祉サービス等報酬の期中改定での引き上げを国に求めてきた。政府もこれらの要請に応え、診療報酬の引き上げと介護報酬・障害福祉サービス等報酬の期中改定を決定した。
しかし、政府が示した改定率では、全てのケア労働者の全産業平均並の賃上げを実現し、7割の病院が赤字となっている経営実態を回復させるまでには、残念ながら到底及ばない改定率であると指摘せざるを得ない。診療報酬上の賃上げ財源は1人8,000円程度にとどまり、介護報酬でも1万円という水準であるため、全産業平均の賃上げ額には遠く及ばない。事業所支援についても、経営悪化を回復させ、赤字から脱却させるには不十分である。
このままでは、人手不足がますます深刻になっているケア労働者の離職に歯止めがかかることはなく、医療機関も介護事業所も史上最悪の倒産・休業件数を更新している現状を食い止めるには至らない。医療・介護・福祉は、公定価格の設定がサービス提供の質や労働環境に直結する産業である。だからこそ、公定価格の水準が低く抑えられることでケアの質や労働の質が損なわれることのないよう、適正で持続可能な公定価格を確保する必要がある。また、2026年度改定時と異なり、中東情勢による石油由来製品の供給不足・値上げが、医療・介護・福祉事業所の経営をますます圧迫している。よって、改めて政府に対し、全てのケア労働者の処遇改善と医療・介護事業の安定的な維持発展のために報酬改定率の10%以上の引き上げを強く求める。
政府の責任で全てのケア労働者の処遇改善と医療・介護事業の安定的な維持発展のために、以上の趣旨から、次の事項について、地方自治法第99条に基づき国に対する意見書を提出するよう請願する。
(請願項目)
1 2026年度の診療報酬改定率と介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の期中改定率は不十分であるため、医療機関・介護施設で働く全てのケア労働者の賃上げ・人員配置増と、医療機関と介護・福祉等事業所の安定的な運営につながるよう、各報酬について期中改定を行い、それぞれ10%以上改定率を引き上げること。
2 事業存続の危機にある医療機関や介護施設への当面の支援策として、直ちに全額公費による物価高騰・賃上げ支援策を実行すること。